登れど、登れど先は遠く 4

残り270kmを切ったのだから、広島県へ進んで岡山県だ!と思いきや、そういえばまだ通っていなかった奥出雲おろちループ。そう、出雲なんだから島根県だ。
国道54号、出雲神話街道を雲南市へ向かい、ゴールと反対方向の北東へ進んでいく(ここ大事…気持ち的には主催者に文句を言いたい。なぜゴールに背を向けて走らなければいけないのか・・・笑)
そして突然の大雨、さすがに披露した状態での朝からの大雨は、精神的にきつい。
国道314号に入るころには晴れ間が出るも、しかしこれも長く続かず降ったりやんだりと不安定。
それも降るときはかなりの大雨・・・
700kmを走ってからの雨、消耗した体には十分なほどに効いてくる。


三成のコンビニで食事。
一応時間的には昼食を食べているのだが、この頃になってくると朝食なのか昼食なのか夕食なのか、そして夜食なのかの感覚もない。おまけに食べて満足なのに、しばらくするとまた何か食べたくなってくる。

雨の中を走りすぎてふやけて痛い足を開放すべく、シューズにソックスを脱いで食事。
できることなら濡れたウェアー類すべてに脱ぎ捨てたいところだ。


奥出雲おろちループにアプローチしだしたころから雨量は激しさを増す。
あとで分かったのだが、このタイミングで中国地方はかなり激しい豪雨に見舞われ、各地で被害が出ていたそうだ・・・

ループを楽しむにも登りと風、豪雨などで楽しさは微塵もない。
頂上付近で少しだけ景色を見るが、下りは江の川が氾濫寸前。
かなり山をえぐった土が含まれているのか強烈に匂いのする濁流。
登りはオレがペースを作り、下りでペースを作ってくれている落合はかなりいいペースだが、ペース云々への驚きは特にないが、この自然の凄さを目の当たりにしてもまったく見ている様子はなく、ひたすら前を向いてペダルを漕いでいる。
気にならないのだろうか??
オレは川のように雨水が流れる道路、濁流で落ちれば一瞬でこの世から消え去るであろう激しい濁流が気になって仕方がない。
ついついまるで生き物のような濁流に見とれて、気が付くと落合との差がついていて我に返り追いつく。それの繰り返し・・・


備後西城のコンビニは2回目。
約24時間後にまたやってくるとは・・・
ここから帝釈峡を経て吹屋街道へ。
このルートは先月の岡山600でも走ったので気持ち的には楽だ。
吹屋から高梁へと抜けるルート、確か600の時とルートが違ったような気がするので落合に聞くと「高梁まで同じルートです」
ん〜〜??なんかここじゃなかったことない??
まったく成羽渓谷に見覚えがないのだが・・・


最後のPCに到着。
思ったほどは消耗していない。吹屋街道から感じていた睡魔も少しは落ち着いてきた。
睡魔と言うよりも少し肩が凝って頭に血が巡っていないかのようにボォ〜っとした感覚で集中できず、それがきっかけで睡魔が広がってくる。
少し睡魔ははあるものの意識はある。
あとは足の裏がふやけすぎて痛い。
ずっと雨の中、そして濡れたソックスを履き続けているから仕方ないか。
次回のロングライドではスペアのソックスを携行して、雨が止んだ時点で履き替えるのがよさそうだ。


暑さもあり少し気持ちを完全にリフレッシュさせて、ここからはラストスパート。
高梁から吉備高原へ。
ループの登りは一定リズムで登る。
吉備高原のきついところは、思いのほか高低差がある。
イメージとしては高原と言うよりも、峠がたくさん続いている感じ。そして賀陽からの農道アップダウン、もうそろそろループで終了??と思わせてからがなかなか終わらない。

夕陽も沈み始め、出来ることなら下りきるまでは明るいうちに、と思いペースを作ってなんとかR429には真っ暗な時間帯は避けることが出来た。
ここからは何度も走り慣れたルート。
落合と2人でペースアップし、50時間を切ってのゴール。


さすがにゴールすると疲れが一気に出てくる。
自分でゴールしてからの段取りを考えてはいるものの、スムーズにいかない。
ゴール地点からホテルへはほぼ一本道で簡単なはずだが、それでも集中力が切れてしまうとなかなか辿り着かなかった。


今回のブルベで気になったキーワード

  • タオル

雨に濡れた際、体がぬれて冷えてきた際に、コンビニで販売していたフェイスタオル、バスタオルが非常に役立った。
簡単に水分を拭き取り、そして首に巻いて日焼け防止など非常に重宝した。

  • ライト

今回ライトをサポートしていただいているキャットアイさんから9月に発売される新型のライト「VOLT300」を使用させてもらった。
外部リンク:http://cyclist.sanspo.com/80829
充電式でハンドルまわりを大幅に軽量化することが出来た。
明るさは3段階に調整でき、登りでははロー(18時間、約50ルーメン)、平坦巡航時にはノーマル(約8時間、約100ルーメン)、そして下りではハイ(約3時間、約300ルーメン)、そして標高差のある下りやテクニカルな下りではナノショットプラス(HL-EL625RC)を使用、真っ暗闇の氷ノ山の下りですら日中と変わらないぐらい余裕で下ることができた。
重量を抑えつつ光量は抑えない。ライトはナイトランのスピード、安全性を左右するので、信頼性のあるものなら多少高くなっても使用することをお奨めする。


ブルベ以外で訪れてみる吹屋の街並み
是非お勧めの観光スポットだ

9月に発売されるキャットアイの新型ライト「VOLT300」
充電式で軽量、ハンドルまわりの軽量はスピードアップにつながった