2015 BRM717岡山1000 PBPへ向けて パート3 〜中国山脈なのか?〜


国道314号の見どころ、楽しみは「奥出雲おろちループ」だ。国内最大規模の二重ループ橋で、上から見る景色はダイナミックだ。
雲南からは延々と登り続け、いつまでたっても見えずやきもきしてくる。
台風が過ぎて気温も上昇。
日差しも強く、ゴールまでの距離は300kmを切っているのに、どこか延々と続くかのような重い気持ちを感じずにはいられない。


頂上まで登り再び備後西条のコンビニへと進んでいくが、睡魔がやってくる。
雰囲気的に、こいつを乗り切ればゴールまでは行けそう。だけど下っていても辛い。
ストレッチしたり声を出したり・・・心の中では、はやくコンビニに到着してリフレッシュしたい、それだけだ。
ここからは帝釈峡へ。
絶対楽に走れる迂回路があるはず(ないかも知れないが)
そう感じるほどに無駄に登っていく。そう、無駄に・・・自分の気持ちが無駄だと言っている。
まるで終わりがないかのように、登っても登っても登っている。
標高計が壊れているのか、俺が壊れているのか、標高は正直たいしたことはない。
帝釈峡から東条へと進み、吹屋へ。
好きな町、好きな景色で言えば5本の指に入る。
しかしきつい。楽ではない。
ただただ集中だ。
吹屋に向けての軽い登り、ダンシングしたときにふと
「アンテナ付きの家を買え」
と、頭の中の方で祖父の声がした。
は?なんで今アンテナ付きの家を薦めるんだ?
どういう感覚で祖父の声がしたのかわからない。
それ以前にもなんだかわからないうちに明智光秀にため口で喋られたり(なぜ明智光秀と思ったのかはわからない)、何かが出てきたとかいうよりも、普段使っていない脳みそを夜通し走って寝不足の変な周波数になったとき、無意識のうちで変な考えが身を包んでいることがある。


べんがら色に染まった吹屋の町が一番きれいに見える夕方に到着。思わず足を止めて写真を撮影していまう。
いつもならさっさとダウンヒル区間に入るのに、今回は吹屋の観光?広兼邸横を通ってからしつこいぐらいのアップダウン、もう澤田さんに殺意すらわかない・・・完全に気持ちは完敗だ。そして羽山渓のテクニカルでしびれるぐらい素敵なダウンヒルをこなしてから成羽へ。



成羽のPCからはナイトラン。

高梁の町を見下ろすようにループしている国道484号は、奥出雲おろちループに負けず劣らず魅力的だ。
ただ900kmを越えて先を急ぎたいときに、なぜこの吉備高原を越える必要があるのか、まったく理解できない。
どんだけドSなんだ!と思うものの、当の本人が一参加者として泣きそうな顔で全行程をきっちりと走りきっている以上、まったくもって意味が分からない。
吉備中央までのアップダウンは無難にいいペースで走れた。
40時間を超えても仮眠をしたからか要所要所でしっかりと集中が続いている。
イメージ既にPBP、一人で走っているのに時折誰かと戦っているような錯覚、と言うか感覚に包まれる。


ホテルへの予約の再確認電話や知り合いや会社関係のメールや電話だけを遅くならないうちにと道端に停まってしていたので、ゴールは予想より更に遅れてしまったが、54時間15分、19日のうちにゴールした。


機材面や肉体面、いろいろと4年前より良くなった・うまくなった部分もあるが、逆に当時の方がよかった部分もある。
そのすべてを総合で考えてやらないといけない。

アドレナリンが出ていたからか日が変わってからホテル近くで外食していたが、部屋に戻った途端に爆睡。
30分で起きられていた体は、布団の上でたっぷりと7時間、泥のように眠り続けていた。



奥出雲おろちループ
何度走ってもその景色には感動してしまう



吹屋の町は岡山ブルベに参加するようになって知り、家族旅行にも行くほどにはまった。
べんがら色に染まる町は、やはり夕方がお奨めだ



吹屋から成羽へと続く羽山渓
本当にこの道で成羽へたどり着けるのだろうか・・・
何度来ても不安に駆られる



国道484号のループから高梁市の夜景を望む



54時間15分、ようやくゴール