第14回山岳グランフォンドin吉野

第14回を迎えた「山岳グランフォンドin吉野」(以下GF吉野)に今年もゲストライダーで呼んでいただき参加しました。

現役の頃から
「完走することに意義あり」って言葉が、自分自身がアスリートという職業だった観点から言うと非常に嫌いと言うか、プロレスのロープ握る行為よろしく、思いっきり逃げてるやん、って感じで好きになれないです。まぁこれはどの角度から誰がどう見るかで違うと思うんですけど。
個人的にプロレスのロープは、有刺鉄線か電気を流しているぐらいでちょうどええやん!と思っています(笑)そしたら逃げられないだろ( `ー´)ノ
だけど、このイベントに関しては「完走することに意義あり」でいいと思います。

常に戦いは白か黒か。勝つか負けるか。そう、戦うことに意義はなくて、常に勝つか負けるかの答えを出してくれ!と考えているのですが、このGF吉野では、完走するだけでも意義はあるんじゃないか?と、自分自身を否定できるものだと思います。


過去に何度か書いたと思うけれど、GF吉野、特にスーパーロング(以下SL)コースは、ただでさえ険しい吉野の林道をつなぎ合わせたようなコースで、普段林業に携わる人たちぐらいしか通らないような道だけにコンディションは非常に悪い。完全に林道マニアか酷道マニア向けのようなルートを含む山岳コース200kmを制限時間11時間で帰ってこい!と。
ガードレールのない峠道、突然アスファルトのなくなる道路、苔で滑りまくる路面、自販機すらない区間・・・適当に走ることが可能な都会近郊、整備されたサイクリング推奨ルートでは決して体験できない過酷なコンディション。しかしそれは普段走っているときには遭遇する、出会うことも十分想定範囲内なわけで、何かあったとしても道路管理の人に文句を言うところじゃなくて、そこを走る人たちも、個々に注意する必要がある。それをイベントとして開催しているGF吉野は国内で最も過酷なサイクリングイベントであり、すべての参加者、すべてのサイクリストにこのイベントで完走できる能力を身に着けて欲しいと感じています。

何がすごいって、足の郷の入り口で
「頂上と連絡が取れなくて本部が困っている。と伝えておいて」って、大会スタッフから託された私(笑)
ストライダーなんだけど大会関係者に近いからなのか・・・それだけコンパクトな運営でありながらも、ダイナミックな吉野の自然を伝えようとする奈良県サイクリング協会さんには本当に脱帽です。だから毎年訪れようと思うし、この大会は他の大会と天秤にかけたりするのではなくて、「参加することに意義がある」と思うのです。


今回は来週がニセコ、月末がロンドン〜エディンバラ〜ロンドンなので、少しペースを上げていきました。
今回からバイクは新しく「エディメルクス・サンレモ76
今年初めから一貫してムーラン69を使ってきていて、エンデュランス系をターゲットにしているバイクなのでブルべやロングライド系はこれでいいと使ってきました。
しかし今回はニセコなどに向けてある程度ポジションであったりバイクの特性を知りたくてサンレモ76。
エディメルクスのカタログにも「角を落としてマイルドな乗り味を追求」と書かれていますが、これが吉野のコースでも効力を発揮してくれていたのだと思います。
速かったですね〜〜自分で言うのもなんですが、この乗り味好きです。速く走るための性能を持ちつつもロングライドのストレス軽減。このバランスがいいのだと思います。
ほぼ最後まで体へのダメージは感じなかったですし、何よりも内臓の疲労が少なくてスピードを維持し続けることができました。


途中で8時間切りの野望もあったのですが・・・最後は脚売り切れました(笑)
最後まで集中できるほどの高強度長時間トレーニングをしていないので当たり前ですが。
そして途中でダムカードをゲットすべく大迫ダムへ。
思いがけず「どこに行くんだね。吉野?大台ケ原にはいかないのかね!大台ケ原ではね・・・・」
いやいや、おっさん、わかったからもう喋らなくていいから・・・どんだけ喋るの好きやねん。

最後は一緒に走っていたSLの選手には単独でゴールに入ってもらってインタビューをうけてもらいたかったので、麓でバックファイアー(いずれにしてもバックファイアーでしたが)
で、本部に電話してもうすぐSLの先頭到着するので、ちゃんとインタビューしてあげてくださいね、と。
そしてそこからはクールダウンを兼ねてゆっくりと走行。最後は急勾配の坂を上るので体温上昇するから抑えめに。
去年はゴールして1時間後に熱中症の症状でのたうち回り、ホンマそのまま吉野神宮に祀られるんちゃうか?と思いましたから。今年は余力を残してゴールへ。
何と言っても麓から25分ほどかけてゴールへ。
スタートして8時間15分でゴール。
去年も速かった〜と思いましたが、今年は昨年よりもスムーズに走ることができたと思います。

来年は大会もいよいよ第15回。また来年も是非走りたいですね。
走ったとしたら40代最後のGF吉野。今から楽しみです。

参加されたすべての皆さん、お疲れ様でした。
声をかけていただいた皆さん、どうもありがとうございました。


朝から暑い!いや、熱い!


エディメルクス・サンレモ76での初ロングライド。
さすがにポジション等も完璧じゃなかったので、足の郷はいまにも脚が攣りそうな感覚。


足の郷のエイドステーションでスタッフの方に撮影してもらいました。


さぁ、足の郷をあとにしてゴールを目指してラストスパート!!



今回のハートレートデータ。
最後までZONE 5には入らず、そして後半になっても序盤と変わらない強度まで耐えられたので、やはりコンディションは良かったということでしょう。