2017 BRM211岡山400

masahikomifune22017-02-13



そう、今回の岡山で開催された「BRM211岡山400」は、この時期らしい??比較的温暖な瀬戸内を走る400kmのブルべで、個人的には1月2月に山間部に入って雪中行軍するような気持ちが楽しくないブルべはやめてほしいと個人的に常々思っているので、今回のように2月に瀬戸内を走るブルべは理想的だ。
そういえば以前岡山主催で2月に「生命保険の受け取りは岡山代表ですか!!」っていうような山間部で参加者ほとんど撤退したなんてあったような・・・さすが澤田代表、日本の他の団体から一目置かれる妖怪・・・いや、個性的キャラ・・・
そんな妖怪、じゃなくて澤田代表が瀬戸内ブルべなんて、これはきっとバレンタインのプレゼントだ!そうに違いない!
そう思ったあなた、・・・甘いな。チョコのほうが苦いよ。

そんな瀬戸内の暖かい、走りやすいブルべ、澤田代表からのバレンタインプレゼントなのだと。最初は思った。最初は・・・
スタート時、配布されるおやつ類にもハートチョコ2枚!
絶対みんなにやんややんやと言われたので改心したんか、と。しかし・・・
たくさんのチョコ!じゃなくてちょこっとしか登らないが超鬱陶しい坂が何度もやってくる。ちょこっとしか・・・いや、ちょこじゃない。なんで登らなくてもいいのに、わざわざ登るんだ。
昨年の岡山1200ブルべに参加した外人が
「ナゼチェックポイントハ、スベテサカノウエナンデスカ!!オーノー!」とキレたらしいですが、さすが岡山の妖怪、澤田代表
「外人さん、なんかえれー怒っちょるけど?なんかようかい?」と妖怪っぷりをアピールしていましたが、そりゃ怒るじゃろ。あっち行ったら登らんで行けるし距離も短いけぇ。
おっと、澤田代表のせいでオレも岡山弁になってしまった。


今回も走る牛窓オリーブ園付近の瀬戸内市、旧牛窓町はオレの出生地。
お袋が出産のため実家のある牛窓町へ里帰り。今の瀬戸内市民病院牛窓診療所で生れ落ちた。
西脇海水浴場は幼稚園年長組だったかに初めて泳げるようになった記念すべき場所だし、オリーブ園や牛窓の前にある犬島あたりは高校生以降何度も自転車で訪れ、虫明や備前そして日生・・・このあたりは地図を見ただけで景色が浮かぶ、自分にとっても第二の故郷だ。
そんな自分にとってはイージーな(だけどちょこちょこと坂が鬱陶しいがw)岡山400はこりゃ楽に走り切れるブルべの一つだな、とエントリーして待ち遠しかった。
かった・・・過去形だ過去形。



1月末に体調を崩しはじめ、だましながらもなんとか活動してきたが、関西シクロクロス桂川を前に完全に崩れ去った。そして桂川翌日にはなんと20年ぶりに発熱。なんと98年1月に38℃越えをして以来。仕事が忙しかったので「知恵熱」説や「まさかのインフルエンザ」説も。と今となっては何だったのか。と今続いている咳と鼻水はそこから始まったアレルギーっぽいが・・・


とんでもなく猛烈な寒波対策でスタートは朝5時から朝9時に変更。このことはのちに大きな意味となる。
朝5時スタートの段取りをするのも実は超大変だが、好調じゃないのに朝9時スタートの400kmブルべを走り終えて予約しているホテルにチェックインは何時になるんだ?と・・・
おまけにライトの持続時間を予想していたものよりも多く考えなければいけない。


スタートしてすぐに体はフワフワとペダルに重さを全く感じない。熱はないが発熱と同時に体から魂が抜けてしまっている。一体今日は何時間かかるのだろうか。まずはマイペースで走り続ける。けっして前半追い風だからとオーバーペースで惰性で走ろうとしないこと、が今日の注意点だ。
前半はうまくはまれば「爆追い風」が帰りが「爆向かい風」
まぁ日が暮れれば多少が向かい風もマシになるだろう。と期待?妄想?を胸に自転車を前に進ませる。

鷲羽山。毎回思うがここ走らなくていいだろう・・・前半から体力そがれるだけだし(笑)って他に走れる道あるから!!といけずな気持ちとともにアップダウン。心拍は130以下でイーブンペース。息が荒くなる。苦しい。アップダウン区間の下りもコーナーでしっかりと抑え込んでいる感覚がないもんだから、「これ、きっと飛ぶね・・・坂上二郎だったら飛ぶね」と思いながらのコーナーリング。実際飛ばないが、いつもより抑えてる感は全然指先に感じない。坂上二郎でも指先意識しているのに今のオレには指先の感覚がない・・・

通過チェック1回目は写真証明から澤田代表が先回りしての有人チェックへ変更。これは岡山ブルべ的には画期的いや歴史的なことだ。
参加している人がこれをお茶飲みながら読んだら間違いなくディスプレイにお茶を吹き出してしまい一瞬でパソコンがお茶浸し、ディスプレイがデスプレイになるだろう。
岡山ブルべのすごいところは、澤田代表も山口副代表も参加者と一緒に走る。
なので有人チェックは、ない。ゴールも代表たちより先にゴールすると彼らの車のウィンドウの隙間に「投函」して終了。通過チェックはのちに代表のメールアドレスに送信という流れ。だからまさか有人チェックなんてありえないのだ。一体何があったのだろう・・・心配だ。


魂抜けつつ貝殻山の通過チェックへ。ここでも澤田代表に先回りされる。なんか普通のブルべみたいだ。ダメだ、だまされてしまいそうだ。
それまで4人パックで走っていたが、先頭交代のリズムが早いのとスピードが速い、そして登りで自分のイーブンペースよりも遅くなり走りづらいので貝殻山の登りで単独で抜け出す。が児島大橋を越えてから信号のタイミングで追いつかれ、そのあとの信号で離れて2人に。宝伝の手前で単独になり、そのままゴールまで単独ライドの始まりだ。
宝伝あたりの味のある海岸線は大好きだが、西脇から鹿忍(かしの)に抜ける登りは地味ながらペースも上がらず嫌いだ。そしてそのあとにオリーブ園への激坂ライド。オリーブ園は通過チェックなのでレシート。サイダーを買って一気飲み。下っていると吹雪に。気温は一気に下がり始める。スタートから4時間ほど。ここから気温はもう上がらないのかと思うと少しブルーだ。吹雪はいったん邑久でやむ。


邑久から虫明、鶴見へと向かうルートは昔ながらの田舎道。走り出したころの晴天は徐々に消えていく。かきお好み焼きで一躍有名になった日生を通過して兵庫県へ。兵庫県に入ると赤穂市赤穂浪士で有名だ。赤穂岬では大石内蔵助の像を写真撮影。風がきつくますます体感気温が下がっていく中、突然の吹雪・・・
唯一の救いは追い風基調。相生から折り返しの網干までは湾に入ると風は回っているがそれでも9時間16分で折り返しへ。
ここでボトルの飲み物や食べ物補給。その間にポラールV650の充電。おおよそ15時間は動作問題ないが、400kmだと後半突然バッテリーが切れるかもしれない。
走り出したときもしばらく充電しながら。ライトも少し充電したかったので、V650はバッテリー残量70&まで充電してライトの充電に切り替える。

御津を過ぎて神崎まで一緒に走っていた人が前からやってくる。その後もぱらぱらと赤穂の町はずれまではすれ違うが、スタートの時に岡山ブルべの参加者らしくなく多いなぁ〜と思っていたが、すれ違った人の人数からすると、結局はいつもの岡山ブルべ(笑)


備前を過ぎたところでトラブル発生。
キューシートホルダーからキューシートを取り出して入れ替えしようとしたとき、ちょっともたついたこともあったのだが・・・入れなおそうとしたらキューシートが脱落して紛失していた・・・その間およそ400m
ポラールV650にルートデータは入れてあるがPCの正式名称と正確な距離がわからない。
確か牛窓のコンビニと水島?のセブン、という記憶のみ。
何度か落としたと思われる区間に戻っていったり来たりするが、かけらもない。なんでだ?そんなに風も入り込んでいないのに・・・
諦めて走り出す。
ネットに接続してコンビニ確認。牛窓はルートデータから外れるような位置。まぁこのあたりは前出のとおり第二の故郷で知り尽くしている。
虫明付近は寒さと疲労、ややハンガーノック気味ということもありペースダウン。もう時速20キロも出せず、もう自分の人生で平坦区間で時速20キロなんて永遠に無理なのではないだろうか?と思うほどにへこたれていた。


とても日本のエーゲ海とか瀬戸内は暖かいなんて言わせたくないほどに冷え切った牛窓。あまりの寒さにニット帽購入。頭というよりも首、のどが寒い。口も塞ぎたかったのだが新品独特の匂いが刺激強すぎて口を塞いで走ると嗚咽が止まらない。
鹿忍から神崎までの区間アスファルトが凍てつくという表現がぴったりの幻想的で乾いた景色。凍結防止剤を踏んだ時の弾けるような感触が瀬戸内に思えない。往路で通った道をほぼトレース。児島大橋から先地味に登り。そして最後のPCの前でも地味に登り。澤田さんからのバレンタインのチョコちょこ登り、ほんまもう要らんわ・・・
最後のPCで澤田代表にメールで報告。
缶スープとクロワッサンを食べる。なんだかおフレンチな朝食みたいだ。やっぱりクロワッサンはフランスだよな、とセブンイレブンのクロワッサンに毒づいてみる。

19時間04分ゴール。朝4時04分。ホテルに早く行って1分でも長くベッドで寝たい。大体昔から良いホテルほど滞在時間が短い。今回もだ。
ゴールの手続きをささっと済ませ、車に戻ってホテルへ。車を運転するとどれだけ体が冷えていたのかわかる。肩から指先まで寒くて麻痺している感覚。そして体力を使い切ったのかスタート時よりも脚に力が入らず歩いている感覚も鈍い。

ホテルにチェックインし着ているものをすべて脱いでバスルームへ。今一番したいことは熱いお湯に浸りたい。そして寝たい。脱ぎすてたもので出来たレッドカーペット「みたいな」道は明日にでも直すとして。まずは風呂と寝る!だ。

5時過ぎ。ようやく念願の寝る、へ。
12時チェックアウトだし8時45分ぐらいに朝食でOKだし8時半近くまで寝られるか・・・
神経は高ぶって寝られないな、と思ったら爆睡で8時だった。



次回ブルべは3月19日のBRM319近畿600。福山がスタートゴールの愛媛県を突き抜けるブルべだ。
トラブルがなければ今度の600ブルべでSRクリア。
今年はロンドン〜エディンバラ〜ロンドンもあるのでクリアーすべきことは早めにクリアーし、きっちりと準備していきたい。
ここまで200kmと300kmのブルべ合計3本を走って今回で4回目。
ちょっとずつバイクにも慣れてきたし、そのつどいろいろな状況の中で走ることで小さなトラブルや大きなトラブル、そしてトラブルもなく走る。
問題に対してどうやって対処していくか。これが走力とは違うスピードだろう。
今回は体調不良でスピードを完全に抑制された中での400kmライド。
少ない体力をどうやってゴールまで持たせるのか。そんな工夫が今後またどこかで役に立つはずだ。




岡山ブルべ的にはあまりにも大人数の参加者にビックリ。
しかし復路ですれ違う時に数えると、結局走っている人数はいつも通りの数だった・・・



鷲羽山では天気予報は外れて暖かいのでは?と思ったのだが・・・



通過チェックにしていされた西宝伝のバス停撮影
気付いたが宝伝のバス停?と勝手に勘違い。
ちなみに西宝伝、東宝伝はあるが宝伝はなかったと思う



赤穂浪士で有名な赤穂の大石内蔵助の像で通過チェック撮影



赤穂を過ぎると再び吹雪
ウェアを濡らしてはいけない。
ラファのブルべジャージの上にラファ・レインジャージ着用。
若干タイトなレインジャケットなのでブルべカードや背中に脱いだベストを放り込むと少しきついが・・・瘦せろということかw


エディメルクス・ムーラン69と苦しみを分かち合う。
今年1シーズン、あと何回こいつとエクストリームな走りを楽しめるのだろう



日生の夜景