フレディメイドのホイール

今日はグラベルフォンド八ヶ岳に向けてチューブラータイヤを貼っていた。
実は既に1ペア貼り終えていて、まだバイク何を使うのか決め兼ねていて・・・
シクロクロスバイクで走る場合は、グラベル用にプロデュースされているチャレンジタイヤのストラーダビアンカ(30?)
そしてロードで走る場合はチャレンジタイヤのパリ〜ルーベ(27?)
今回のコースがどの程度なのか事前情報がないので、どちらでも走れるように。
クリンチャーじゃないの?と言われそうですが、ぶっちゃけチューブラーのほうが乗り心地もいいし、リム打ちパンクがないのでトラブル発生率でいうと若干低いかもしれない。
チューブラーだからパンクしやすいわけではないですが、ただパンクしたときにクリンチャーだとインナーチューブ交換すれば、パンク前と同じパフォーマンスを得ることができると考えればクリンチャーも不利じゃない。
しかしチューブラーだと、パンクするとタイヤをホイールから剥がすので、強力な接着力を得ることなく走ることになります。
そうなると若干クリンチャーに分があるのかな?とも言えますが、そのあたりは乗り手の判断ですね。


今回ロード用に用意したホイールは、2001年から使用しているもの。
ベルギーでお世話になっていた元ロットのメカニックだった故フレディ・ヘイデンスが組み上げたもので、前輪は当時ロットの選手でグランツールでの活躍が期待されていたマリオ・アールツの使用していたもの。
フレディには当時よくしてもらっていて、オランダからベルギーに引っ越ししたとき、まだロットのメカニックをする前にバイクショップをされていたが、その建物の2軒となりのアパートに住んでいた。
食事も招待してもらったし、しょっちゅうビールをご馳走になった。
元々シマノフランドリアチームのメカニックで、腕は一流。ほとんど家にいない生活もあってかショップを開いたが最終的に再びプロの世界へ。
フレディのホイールを組み立てる技術は一流で、多くのプロ選手が北のクラッシックなどで使用。とある選手はチームが違ったのに使っていたらしい。


2001年、どうしてもフレディにホイールを組んでほしくオーダーしたら、レース帯同のスケジュールとバッティング。後輪は組んだが前輪は時間がない、と仕様がロットのチームと同じだったので、マリオ・アールツの名前が書かれた前輪を持ち出して
「これとペアでいいか?」と半ば強制的に承諾させられた。
このホイールはいくつかのレースでも使用したし、実は2008年の国内での引退レースになったジャパンカップはこのホイールで出走している。


来たるシーズンに向けてロットの倉庫で作業中に倒れ、そのまま帰らぬ人になったフレディ。
何度か思い出しながら使用してきたが、ホイールもそろそろ寿命かハトメ部分からリムが割れてきた。
そりゃシクロクロスに石畳もさんざん使ってきたから、ここまでもったことに驚き。やはりちゃんと組まれたホイールは全然壊れなかったし振れもでにくかった。
正しいバランスで組まれたホイールは、リムのハトメから割れ始めるというのを聞いたことがあるが、このホイールも例外じゃなかった。
割れてきたが、あえてそのままタイヤを貼る。
せっかくだ、最後走れなくなるまでこのホイールは使おう。
このホイールと過ごした時間は永遠のもの。基本的にものにはこだわるが、執着はない。
15年もの間、このホイールで数々のレースを走ったし、たくさんの場所を訪れた。もう十分なほどに楽しんだ。

多分この貼り付けたタイヤがこのホイール最後の仕事になりそうだ。
本当にフレディには感謝だ。




今日はチューブラータイヤ貼り祭り
グラベル用に1ペア、そしてシクロクロス用に1ペア。



リムはカンパニョーロ・バルセロナ92
軽量で、そして剛性のあるバランスの良いリムだった。
ロットも北のクラッシックなどで正式採用していた。



フレディの手によって、スポークの交わる箇所には針金を巻き付けて固定し、更にハンダで固定されていた。



とうとうハトメ部分から割れ始めた。



2008年のジャパンカップでも使用した。