まだまだ暑いですが

京都はいぜん35℃が続く猛暑?酷暑?
残暑というには暑すぎです。
長期予報では確かに暑くなるとは言っていたけれど、8月の終わりが見えてきたのにこれは結構きついですね。
自分たちのような一般的に「鍛えている」人でもこの暑さは堪えるのに、高齢の方や普段スポーツをしていない人には命の危険すら感じる暑さですよね。
けっして無理しないように、そして自転車に乗るときも極力涼しい時間に楽しむようにしてください。


昔アジアツアーを回っていた時などは、暑さ対策で冷えピタを太ももや脇の下に貼ったりしていました。冷たいもの食べたり飲みすぎたりすると、結局内臓から疲れてきたりするので、食べ物は極力暖かいものを食べるようにしたり。
余談ですが、ラーメン屋では汗だくになっても普通にラーメン食べてます(笑)まぁ冷麺が好きじゃないというのもありますが・・・
そういう対策もありだと思います。


96年にイギリスのマエストロというチームでフランスのステージレースに出場した時の事。
チームで一番登りの得意だったロブ・レイノルズ・ジョーンズという選手は肌の色がそれこそ向こうが透けて見えるで!ってぐらい白くて、俺と一緒に写真を撮ろうとするとコントラストがむちゃくちゃになるので二人並んで写真が撮れないぐらいだったんですが、彼は日焼けに対してすごく敏感で、レースのときはチームカーに日焼け止めを積んでいて、集団のスピードが和むとチームカーに下がっては日焼け止めを塗るほど。
あるときあまりの太陽光線にロブが溶けてしまいそうな表情で「日焼け止め、日焼け止め・・・」と肩で息しながらチームカーへ。チームメートみんなが「そんなに暑いか??」とロブを軽く馬鹿にしたような感じだったんだけど、チームカーでは日焼け止めを塗って集団に上がろうとするロブが急ブレーキで再びチームカーに下がり
「耳たぶに塗るの忘れていた!!」
と、肩で呼吸しながら耳たぶに日焼け止めを塗って、塗り終えたら呼吸が戻ってさわやかに
「OK!もう大丈夫!」
と戻っていったらしい。
その日の夕食はロブの耳たぶに日焼け止めクリームを悲壮な表情で塗る顔まねの監督で盛り上がりまくり。


マチュアチームで活動していた時のほうがマエストロで過ごした2年よりはるかに待遇が良かったですが、しかし逆にこのマエストロ時代のおかげでプロとしての心構えというか、自分の待遇は自分次第という当たり前のことを気付かされた2年でもありました。最初の頃はプロというだけで、何でアマチュアのときのほうが待遇がいいんだよ!と。

ホテルや食事、スタッフのスキルからすべて満足には程遠いチーム。
しかしこの状況から脱したければ、自分の足で成績を出して這い上がるしかない。
そして97年にベルギーのトニステイナーへ移籍。のちのランドバウクレジットです。
最初はちょっと状況はいいな、というレベルでしたが、チームがフランドルに出場しLBLにも出場し。
自分が春のクラッシックや秋のクラッシックシーズンでレギュラーメンバーで走れるようになってくると、周りの人たちの接し方も変わってくる。
日本ではメディアがトップチームばかりを取り上げて、そこまで苦労して這い上がってくる選手、そういう選手を助けようと受け皿的なチームを運営している人たちをきちんと取り上げてはいません。
社会人野球でも大きな企業のチームが会社の福利厚生ですべてまかなっているチームばかりではなく、練習場を借りるお金のために、メンバーがアルバイトをしてユニフォームも大事に使い続けているチームがあるように。そしてその先がプロです。
自転車でも同じ。身の丈にあったサポートをしていかないと、結局みんな続けることが難しいんじゃないかと感じています。


日本では申し訳ないけどお金をもらうとか、機材や待遇にに対してお礼以外の言葉を発することができるレベルの選手なんてほぼいないと思うけど、金銭や待遇に不満、機材に不満をいう選手(厳密にいうと選手っていうのもおこがましいレベルだと思うけれど)も決して少なくない。
これでもしヨーロッパのプロコンチネンタルチームに移籍できたとして、今より状況悪かったらびっくりするんだろうな。



95年と96年、イギリスのマエストロと契約
本当に小さな小さなチームだったけれど、監督のアラン・デロー(残念ながらアラン・ドロンではない)はフレディ・マルテンス全盛時代にアシストとしてプロで活躍。
そんな名の知れた監督、そしてイギリスのプロチームという際物?な存在のおかげでフランスのステージレースからひっきりなしに招待が来ていて、正直レースに出るのには困らなかった。多いときは20日間で3ステージ+3クラッシック、合計18レースという、移動兼ねる車中泊みたいな時もあった。
当時はみんなイライラとしていたが、今思えばいい思い出。
シーズン途中にはUSポスタルラボバンクで活躍したライプハイマーも加入。


俺と一人挟んでロブ・レイノルズ・ジョーンズ
画像処理しなくてこの白さ!
というか、画像処理したくなる色黒さの俺・・・