2015BRM425名古屋600

masahikomifune22015-05-01



4月25日のブルベ「BRM名古屋600」に完走し、ひとまずは今年のSRを取得しました。
パリ〜ブレスト〜パリの出場資格もなんとかクリアーし、あとはエントリーをちゃんとするのみです。
毎回言っていることですが、何度走っても楽なブルベなんて存在しません。
今回もまさしくそう。
というか、自分の今までの中でも5本の指に数えられる厳しいものでした。


4年前のPBP(パリ〜ブレスト〜パリ)の出場に必要なSR取得のかかったブルベもこの名古屋600。
そして今年も同じシチュエーションとなり、4年前とほぼ同じコースの名古屋600に出場と、なんとなく縁を感じずにはいられなかった。
4年前は、朝早いからホテルに泊まるのももったいないからと自宅発にしたが、まさかの寝坊。
かなり急いでほとんど用意も適当にスタート15分前に到着し、15分以上遅れてからスタート。
もうバタバタのままで走りだし、雨で安全に走ることを集中していたんだけど、他のことにはあまり集中できず。
ゴールしてから着替える時に、ソックスはなぜか普段履きのものだったり、持っているつもりのものを忘れていたり・・・
だから今回はバタバタしないように会場近くに安いホテルを抑えて、しっかりと寝て挑んだ。
まぁ起きられるのかちょっと心配だったんだけどね。


天気予報は晴れ。
過去に何度も晴れの予報を鵜呑みにして、見事なまでに雨や雪などの経験はしている。
あくまでも予報。しかし今回は大きく外れることはなさそうだ。
装備は気温5℃〜20℃で予想して準備。
背中にはウィンドブレーカーを準備し、軍手タイプのグローブも装備。
ボトルも500mlの小ボトル2本でも行けると思ったけれど、ここは600mlの大ボトル2本。それも保温ボトル。
寒い時は暖かい飲み物を入れておけるし、暑い時は冷たいものを入れておける。
予想を外されたと言えば、背中にはブラックサンダースニッカーズ
これは途中で暑くてまともに食べられないほどドロドロ(@_@;)
もうブラックサンダー封印の季節になったのか・・・


スタートはやや遅れて走り出す。
いつもつるんで走ってる笹井と鮫島くんの3人でスタート!しようとしたら、2人とも装備チェックがまだとか、持ち物忘れた!とか・・・おいおい、結局ほぼ最後尾スタートで5時05分を過ぎてからのスタートだった。


他にも何人か合流。
名古屋スタッフの棟方くん、そして以前トレーニングアドバイザーをさせていただいていた生徒さんの口野くんら。
棟方くんのペースがかなり速くて、おいおい、こんなペースでどこまで行く気?こっちは600kmを見据えて走っているのに・・・と。明らかに300km売り切れペース。
もちろん自分より速いランドヌールはたくさんいるけれど、600kmともなると大体名前と顔は一致している、もしくは顔やバイクは見覚えがある。
落合くんや黒澤くんなど・・・
それに自分の場合はハートレートモニターである程度ペース配分をコントロールしている。
今回の登りは平均的に心拍135まで。彼が先頭の時で140越え。しかし145を超えるペースではなく、自分自身もコンディション的にはかなりいい感じでこの日を迎えられていたと感じていた。
先頭の時に135まで抑えていく。


笹井が千切れ、鮫島君が離れ・・・棟方くんと口野くんの3人。しかし口野くんもきつそう。
舞台峠ではペースが上がり口野くんが離れる。
下呂から上呂、宮峠へと進んでいく。
このあたり、以前と少し道が変わったかも。
宮峠では予想よりも30km早く水分が底をついた。
ここで棟方くんから離れ、道の駅で飲み物を探す。
思いのほか暑く感じられ、シャツが肌にべとつく感じがすごく不快だ。
個人的にはコーラを飲んでと思ったら、なぜか目につく自動販売機にコーラがない。いや、ノーカロリーのコーラはある。
トータルで15,000キロカロリーを消費する走りでノーカロリーコーラはないだろう。
とりあえず似たものと言う感じでサイダーを飲んで走り出す。


PC2、高山で再び3人合流し一緒に走ろうということになるものの、数河峠の入り口でペース早く離脱。
心拍計を見ていると、常に少し高い。
ここからは確実に自分のペースをベースにしていかないといけない。
まだ往路、復路の数河峠そして真夜中の上呂下呂、舞台峠と集中していきたい区間はまだまだ先だ。
ここで体力を余分に使い、そこで余力を失って睡魔と戦ったり巡航ペースを落としてしまうと、最初に設定したスピードを下回り、結果的に気温の低い場所を気温の低い時間に通過し消耗してしまう。


頂上までに口野くんに追いつき、2人で高岡を目指す。
神通川沿いの下り区間は、北からの強烈な風の影響で下りの恩恵はない。むしろ登りが延長されたかのような消耗具合だ。
気温はどんどん上昇し20℃。本当に涼しい場所を走ってきたおかげで、ここまで暑さを感じないままにやってこられた。
そしてここからも気温はどんどん下がっていくはずだ。


向かい風は無理せずに走り、PC3高岡は17時すぎ。
これは予想していたよりも約15〜30分速い。
向かい風が舞台峠手前からずっときつかったことを考えると、ちょっとオーバーペースと言っても過言ではないだろう。
しかし3人で走っていた区間が長かったので、思いのほか疲労は少ない。
日の入りが18時半ぐらいだということを考えれると、明るい時間は少しでも進む時間に充てたい。
多分日の入りまで少しは風が続くだろうから、追い風の恩恵を受けられるはずだ。
約15分の大休止後、17時15分ごろにスタート。
海王丸をゆっくり見ることもなく先を急ぐ。
時速30キロ強で復路へ。やや追い風気味か。
前から往路を進むランドヌール達とすれ違う。すれ違いの際はベルを鳴らして(自分なりに)エールを送る。
相手もそれに応えてくれるとやる気がみなぎる。
一緒に走っているわけではないが、同じブルベを走る、同じコースを戦うものとして気持ちが通じ合っていると感じる瞬間だ。


日は完全に落ちて神通川沿いのR41、高度を徐々に上げつつ数河峠入口を目指す。
ちょうど数河峠に差し掛かるとき、最後のランドヌールとすれ違ったようだ。時間的にこれからすれ違うとすればタイムアウトだろう。

北側からは距離はそれほどないが勾配はきつめ。
一定リズムで無理をせず。ここで往路を抑えていた余力が有効になってくる。
気温はやや低めで6℃ほど。最後のつづら折れ区間を終えると気温は5℃
頂上でウィンドブレーカーを着て下ろうとしたとき、急に肺のあたりと下腹部に違和感を感じ、めまいがする。
下っていても次の足が出てこない。ひとまずケイデンスを抑えてゆっくりと回す。
時速25キロ以下。神通川沿いの方が登っていたのに下り区間の方が遅い。


PC4、再び高山に戻ってくる。
食べ物がスッと胃を通らない。
ずっと継続して中強度レベルを維持していると、食べ物がのどを通らない経験は何度もしたが、今回は少し違う、ちょっと体が熱っぽい。
高山から宮峠に差し掛かるところで急に気分が悪くなり嘔吐。きつくて嘔吐することがないわけではないが、ちょっと今までにない感覚だった。
体には熱を感じないが頭は熱い。
どうしよう、と考えてもどうすることもできない。今は体内に余っている余力をゴールまで細々と排出して走るしか選択肢を思いつかない。
登りは更にペースダウン。ちょっとでもペースを上げると胃がムカついて嘔吐が止まらない。
甘いドリンクが喉を通らない。お茶も通らない。こうなると水のみ。


上呂下呂の川沿いでは惰性で進み、舞台峠は気温1℃と冬の厳しさ、足先がしびれてくる。
下りは風が当たると冷えからか吐き気と睡魔。これは何とかしなければと、コンビニでカッパを購入して着衣。
だが食べ物がまったく胃に入らない・・・


最後のPCからは地味に勾配のきついアップダウンが連続する。
南斜面は緩く長いが北斜面は短くきつい。
いったいどちらがタイム向上にいいのだろうか・・・

ほぼすべての登りをクリアーし、胃の中に何も入っていないことでハンガーノック状態。コンビニでおにぎりを購入。ようやく食べたいと体が信号を送ってきてくれた。
見たときには美味しそうとお茶を買うが、飲んでみると荒れた胃を攻撃しているのか余計に気分が悪い。
ほんの少しでも登り勾配があると時速一桁、ただただ惰性でゴールへと進み28時間55分でゴール。

ゴール後、体は確かに熱っぽいが特に熱があるわけじゃない。何か食べ物に当たったのかもしくは体が冷えて一気に体調が悪くなったのか・・・


兎にも角にもこの600kmを完走したことで今年もパリ〜ブレスト〜パリの出場資格はクリアーした。
あとはちゃんと忘れずにエントリーをしなければ。



今回のブルベは朝5時スタート
4時半からブリーフィング開始、まだ夜は空けていない



序盤から数人のパックが形成されるも、かなりの高速トレインだった



R419からR363へ合流するところにある大きな狛犬
ここから先は山の国と言う印象だ



日差しは強いが走っている地域は涼しい地域
おかげでそれほど暑さに苦しむことはなかった



舞台峠の棟方君のハイペースで2人に
さすがに自分もこれはハイペースに感じる



下呂駅近くの踏切で特急ひだ
一度は乗ってみたいなぁ



宮峠
全体には緩い峠で難所ではない。しかし今回復路では超級の峠に感じるほどに苦しんだ




海王丸を遠目に先を急ぐ



復路に入って神通川を目指しているときに太陽が沈んでいく
ここからは完全な闇の世界
闇を制する者がブルベを制する
(という私感)



予想を下回る気温3℃の宮峠
この後舞台峠では気温1℃に
途中コンビニでホッカイロを購入、その後はカッパとタオルで首元を温める