2015BRM118岡山300


BRM118岡山300、13時間28分でゴールしました。
岡山ブルベだけど広島県三原市をスタートし、忠海、竹原、呉を通って倉橋島江田島を走って折り返すコース。
地図だけを眺めていると特に難しいコースではないように見えるけれど、獲得標高は平面地図からは想像でもできないほど(4,314m)だったし、実際に走ってみると島の中の主要道以外の道は道路標識も乏しく、県道番号の表記もなかったり・・・
目印のない交差点がたくさんあり、キューシートの記憶もままならず、これはGPSを使用していれば何の問題もないのかな?と。

そして何より0時スタート。
この時期だと6時半まではキューシートはライトなしでは確認できない状態。
こういう、一見簡単そうに見えるブルベが、実は難しいというのは良くあるパターン。その典型でした。


予想気温は氷点下ということでいつものラファのジャパンジャージの上にウィンドブレーカーを着用してから反射

ベストを羽織る少し薄着仕様。インナーはメリノウールのハイネック。
貼るカイロを左右の肩甲骨、お腹、そして肩周りと太ももと膝にはホットクリーム。これだけでウェア1〜2枚分違

ってくる。
スタートと同時に予想以上に速い。
ゴールしてから聞いてみると
「三船さん後半どんどんペースを上げるので、前半にタイムマージンを稼ごうと思って」
何か間違っていないか??
そのスピードをみんなが維持するもんだから、最初の2時間ぐらいは時速35km/h巡航が続く。
自分が先頭に出たときは、意図的にペースを落として時速32km/hに。これでも速い。
レシートチェックの呉に到着したときは4名
4名と少ないものの、お互いが協力して前に行こうという意思がはっきりと芽生え走りやすい。
倉橋島に上陸。ここからは道なりに進めばいいはずだからそれほど難しくないはずだ。
はずだった・・・


PC1ではサプライズ。
広島在住の唐見実世子さん。
海外でも活動していた元ロードレーサーで、オリンピックにも選出されているしシクロクロスでも国内タイトルを

手中にしたこともある日本女子を代表する選手だった。
何度か一緒に練習したこともあるのだが、広島県を走るということで夜中にもかかわらず激励にやってきてくれた


差し入れでまだ温かい手作り?スイートポテトをもらい・・・まさかのちにこれが明暗を分けるとは夢にも思わなかっ

た。


PC1後、すごく狭い路地のような県道286へ。
車1台が精いっぱいの広さの道。
そしてこの道幅の農道を、くねくねと登っていくは下る。
それまで快調に走ってかなり速かった平均時速はみるみるうちにダウン。

登っていても暗いのはスピードが落ちるが、下りだとなおさら。
つづらオレなのでコーナーの先までは見えない。
海岸沿いを何度も登っては下り・・・正直距離感覚がかなり怪しくなってくる。
何かの作業中にライトで見える位置にセットしていたメーターの距離をリセットしてしまい、ファンクションを時

計モードに。ライトで見えないサイクルコンピューターを距離モードに。
体感的に平均時速を想定し、キューシートの曲がるところだけを記憶しておく。
走行時間(現時刻)からおおよそ何km走ったのかを予測しながら走る。
自分以外の3人がGPSを持参しているので大丈夫だろう。


111kmに対して約120kmぐらい、10kmほど進んだか?というところで突然
「行き過ぎてますねぇ・・・それも12km以上ぐらい」えっ?いまさら??
ってみんなGPSつけていて、何かアクションなかったの?と。
どうする?と。でもみんなどうするのか知っている。
Uターンをするしかない。
それまで元気だったみんなの足取りが突然別人のように重くなっていく。
オレは少しでも元気をキープできるよう、先頭でペースを作るように心がける。
凹んでも仕方ない。踏まないと自転車は前に進まない。


かなりロスしたのか、前から結構なスピードのパックがやってくる。
PC1では確実に後続が離れていたはずだから、いったいどれだけ時間をロスしたのだろう。
滅入りそうなほどの真っ暗闇と更に絶望感と戦いながら来た道を戻る。
このあたりじゃないの??
まだ半分ぐらいです・・・
もう数kmは走っているのに。

ようやく元のルートに戻ったところでみんな徐々に離れていく。ん?どうした??
あとで聞くとみんなハンガーノック
速いペースは裏付けがあったけではなく、なんとなく速かっただけなのか・・・結局4人の中で俺以外は脱落していっ

た。

不安になるほど道路標識も何もない道をキューシートの指示通り進んでいく。
果たしてあっているのか?間違っているのか?
そんな不安の中を走っていると、最初にすれ違ったと思われる3人組がUターンしていく。
なんだ?オレらと同じようにミスコースか?
となるとオレたちの比じゃない距離を突き進んだはずだ。


4時半を回る。
ここから日の出ぐらいまでが一番寒く睡魔の影響か踏めなくなる時間だ。
集中して走れてきたからか、いつもより体感的には楽に走れている。
江田島に渡り夜が明けていく。

疲労と低温そして微妙にハンガーノック気味なうえ向かい風だからスピードはそんなに上がらない。
しかしここまでお腹が空かなかったのはPC1での差し入れのおかげだろう。
27〜30km/hぐらい。無理にペースを上げず、そのまま淡々とぺダリングしていく。
江田島は、現役時代に一度合宿だったかで訪れたことがある。
なんとなく記憶に残っているが、頭の中に地図は入っていない。
今回はレシートチェック以外にも通過チェックでクイズが設定されている。
フェリー乗り場で、この汽船の会社名は?始発時間は何時?シャッター書かれている消防団は第●●団
ですか?など。


PC2は190km地点。
この直前の登りで先頭に追い付く。
ここからは単独走。
往路は景色はまったく暗闇で見られなかったが、復路はきれいな瀬戸内の海が広がる。
呉からR185。右手には光り輝く瀬戸内海。焼きカキの美味しい匂いに包まれながら止まりたいところだが、風はな

ぜか向かい風で気温も思いのほか上がっていない。
向かい風の往路では時速32〜36km/hも出ていたのに、復路は25km/h
後半の100kmほどは、軽いハンガーノックでスピードダウン。
振り返ってみたら300kmで菓子パン2個、豚まん1個、ブラックサンダー4個、のど飴数個に缶コーヒー2本と缶スープ

1本。そして唐見さんからもらった差し入れのみ
そりゃ少ないか・・・


ゴールは13時間28分。
真っ暗闇、低温、獲得標高、ミスコースを考えると素直に速いと思う。
1月に入って毎週ブルベ。
昨年秋以降はかなり仕事が忙しく、割り切って年末まではほとんど自転車にも乗らずだったので、さすがに以前の

ように軽やかに走ったり登ったりできない。
しかし、ブルベをこなすことで徐々に体につけている肉の鎧も薄くなってきた気がするし、何よりもあれだけ無意識に作動していた回転を司る動作もギクシャクしていたのが、ちょっとだけ無意識でできている。


次は1月24日のBRM124近畿200
泉佐野スタートゴールの青山峠往復コースです。


スタート前のブリーフィング



ナイトランで向かい風も、仲間と協力すれば気持ちよくいいスピードで