2014BRM322近畿600福山

masahikomifune22014-03-25



久しぶりのブルべ600km、むちゃくちゃ堪えました。
ブルべはやはり200kmから順に300km、400km、600kmと距離を増やしていかないといけないね。
今年は200kmからいきなり600km、後半はやはり体がまったく順応していなかった。
宇和島から今治まで、居残り補習よろしくもう一度やり直したいぐらいダメダメだった。
予想そして自分で予測をはるかに下回る気温でリズムをつかめなかったし、ポケットに入れている荷物もすぐに取り出せなかったり・・・
そしてたぶんブルべをしてきた中で最大のトラブル・・・

ブルべを何回走っても同じコース、同じコンディションはない。
そして起こりうるトラブルもロードレースとは違う。
今回の経験はもちろん次回以降に活かしていく。
それもまたブルべの醍醐味だと思う。


今回のコース、尾道界隈は何度も訪れているし序盤の鞆の浦は今年のチーム合宿で下見済み。
しまなみ海道から伊予からはR378「ゆうやけこやけライン」愛媛県自転車競技連盟のコーチとして何度も走ったこともあるのでだいたい覚えている。
そして愛南へのルートは八幡浜の町で少し逸れるようだけど基本的にはR56をフォロー。
なのでキューシートはハンドル周りに取付せず、コースを丸暗記してキューシートは念のためポケットに入れたのみ。
GPSや紙の確認は暗記には勝てない。
今回も先頭ゴールか?と思われた人、そして最後に一緒にゴールした人とGPSのトラブルで最後は道がわからなかったらしい。
余談だが、ポケットにはキューシートと別にサドルバッグの中には一応予備のキューシートは所持している。
オリエンテーリングでルートを知らない、まして地図を最低限読めないのにキューシートを持っていないのはあまりにも危険だ。

スタートまでに最低でもルートラボなどのコースを覚える。
そして地図に走行ルートを引いていくことで頭で覚える。
今回はほとんど覚えること苦労はなかった。
走り出してキューシートを確認しなきゃ、と思ったのは宇和島の町とゴール手前、まさかの福山城の本丸突入してのゴール(これまたまさかの月見櫓の中!!)ぐらいだろうか。


当日朝3時に起床。
用意はほぼ前日に終えていたからそれほどあわてなかったが、朝4時に駅南口にある吉野家で朝食をしようとしたらまだ開いていなかった
(メニューには朝4時から朝定食と記載されていたので、てっきり24時間営業だと思っていた)
少し離れた吉野家で笹井と一緒に朝食。これからのプランをお互い確認、一緒に走れるところは一緒に、ということで話は一致。


スタート地点にはスタート20分前に到着。
まだ真っ暗の駅北口に反射ベストを身にまとったランドヌールが約80名。
事情を知らない人からすれが、いったい何が起こるのかびっくりするだろう。
夜明け前でもこれだけ自転車がいたらびっくりだろうけれど、まだ夜明け前に反射ベストやら前灯や尾灯が光り輝くおっさんども(中にはニイチャンやネーチャンもいるが、大半は前から見ても後ろから見てもただのおっさんだ)が大量にいるんだから、きっと気になっても怖くて見いたり聞けなかっただろう・・・
俺も知らなかったら同じ自転車でも怖くて聞けない。
ドロップバッグやスタート前のブリーフィング、装備チェックが時間なくバタバタとしていたが、ブリーフィングで焦りながら、一言手短に喋っては参加者に「オッケー?オッケー?」と半ば無理やり納得させていた塾講師みたいな主催者今野君の焦りっぷりが面白かった。
装備チェックを終えて5時ちょうどにスタート。
スタートから福山の信号に苦しみ、鞆の浦を抜けて最初のコントロールは横島、そして戸崎から向島へと渡船、ここでは到着したら船は行っちゃったあと・・・
しかし朝が寒かったからかトイレが近い。
最初のコントロールで、そして渡船前にもトイレへ・・・

6人ほどのグループでしまなみ海道を進み、PC1到着、瀬戸田へ。
ここでサンドイッチを食べて飲み物を補給。
スタートからここまで80km、平均的なブルべのインターバルよりも10〜15km長いし、そしてここから次のPCまでも約80km。
自分の走行ペースからすると3時間弱、すなわち60km〜75kmぐらいのインターバルだとPCのコンビニで補給していけばいいので、他の地点で休憩したりハンガーノックになる可能性も低い。
だから今回はいつもよりサンドイッチ1個分だけ余計に補給することにしてさっさとスタート、という計画だった。


ごみを捨てて出発しようとしたとき、横着してごみ箱までバイクに跨ったことが事の発端だった。
ごみ箱のあとに店から出てきた(と思う)おばちゃんに当たりかけてすでにハンドリングしていたところから反対にハンドルを切り、その時に縁石に前輪が当たってボテッと落車。
右側に倒れたので、とっさに変速機やRエンド曲がっていないか心配になったが大丈夫。サドルは少し破れてしまったが・・・と、次の瞬間思わず声が出た。
シュークリートが割れてしまっていて、とても走行できる状態じゃない。
スピードも出ていないし怪我も何もしていないのだが、全体重が変なのっかかり方をしたので変速機などがすごく

心配だったが、クリートの破損がすべてのエネルギーを受けてくれたのだろうか・・・
レースならスペアのシューズをもらうなり、何かできる。
チームカーにスペアシューズを積んでいたりしていたこともあるし、大きなレースなら自分のカバンにはスペアシューズ入れていることが多かった。

さあ、どうするのか・・・
走るのか走らないのか
走るつもりならどうすればいいのか、一刻も早く決断しなきゃならない。
今治に去年までチームでキャプテンをしていた長野がいる。
仕事さえしてなければなんとかなるかも…何よりも確実にペダルのクリートを持っているはずだ。
電話をしてみると何とかなりそう。
瀬戸田までクリートを届けてもらい、約2時間足止めのあと再び走行開始。
本当に長い長い2時間。
たった2時間だけど走れるのは本当に楽しいなぁと再認識。
こんな形ではやめたくない。
少ない装備で多くのトラブルに対応しなきゃいけない。
いくら今回のようなケースが普段ほぼ起こりえないと言っても、起こったということは可能性はある。
これは次回以降の参考にして経験として生かさなきゃいけない。
そして何よりも長野には本当に感謝だ。


ちょうどこの日、しまなみ海道ではしまなみ縦走というサイクリングイベントを行っている都合で、どこまで走ってもサイクリストがいっぱい。
それもスポーツ車だけでなく家族連れやカップルなどはママちゃりのレンタサイクルだったり。
橋へのアップダウンは縦横無尽、スピード差もすごい・・・押して歩く人も意外と多い。
レースではないので事故がないように無茶はせず。

時間とともに徐々に向かい風がきつくなっているようだ。
ポラールハートレートモニターでハートレートとケイデンスをチャック。
心拍は122以下、ケイデンスは80以上で。
これ以上の心拍にすると12時間以上走行する600kmなどでは後半一気に失速する。
ウサギとカメ、後半に失速しないほうが絶対に早くゴールできる。
特にここからどこまで一人で走るのかもわからない。一緒に早くゴールできそうだったグループは2時間も前だから・・・

走り慣れた今治〜松山のR196、向かい風でイーブンペース。
そしてルート確認をしているとき、絶対主催者のミスだろうと信じて疑わなかったPC2道後温泉へ。
ここを抜けてから道後温泉の観光客がごったがえする商店街を押して通過していくというルート・・・
今野君曰く「道後温泉は見たいでしょ」いや、もう見飽きたし温泉にも入り飽きたし・・・(-_-;)


伊予を抜けて長浜へのR378ゆうやけこやけラインへ。
ここも向かい風がややきつめ。そして海に反射する太陽が気持ちいが、逆に日焼けしたり目にはダメージが大きい。
そう思い今回はヘルメットの下にサイクルキャップ、キャップのつばは下向きに。
そうすることで顔に日陰を作って日焼けからのダメージを最小限にできる。
小刻みな峠そして長いトンネルを抜けると八幡浜だ。ここからは初めて訪れる未知の世界だ。


PC3からは峠越え。
決して大きな峠じゃないが勢いをつけると後半に堪える。
あくまでも心拍計で一定ペースを保持。
下る頃には愛媛だけにいよいよナイトラン(おやじギャグですみません)
今回はキャットアイのVOLT300とVOLT1200を1個ずつ。
本当はぎりぎりまでVLT300で軽量化を考えたが、夜を一つ越えてしまうし、スピードによってはしまなみ海道をナイトランの可能性もあった(さすがに2時間足止めでその可能性は皆無になったが)
一度VOLT1200の性能を体感してしまうと、他のものを使うのは非常に難しい。
去年のSR600での真夜中のビーナスライン、たぶんVOLT1200がなかったら遭難していただろう。

街灯がまったくないような峠などではノーマルモード、そしてそれ以外ではオールナイトモード。
ちなみにオールナイトモードでも150ルーメンほどを確保しているし正直よほど過酷なコンディションじゃなければ十分だ。
スピードが落ちてしまう登りで見通しが良い時などは、VOLT300に切り替えてノーマルモードで使っていた。


宇和島から愛南町へは完全ナイトラン。道もかなり暗いと予想。
基本はR56を1本道で最後にK34を右折するのみ。
う〜〜ん、先頭に追いつけるかな??前も少し意識的にスピードは上げているか。
いずれにしても折り返しはさっさとクリアーしたいので愛南町へ向けて走り出す。

宇和島から宿毛へ抜ける国道なのに、交通量は少なめ。おかげで自転車で走りやすかったが。
結構好きな感じのアップダウンが続く。
下りではVOLT1200のおかげで下りでもあまりスピードを落とすことなく、日中と変わらないリズムで走っていける。


展望タワーの登りもいい感じで登れたが、復路に入ってからは徐々にスピードダウン。
少し食べる量を抑えすぎたかもしれない。
ナイトランで単独走、力がすぅっと抜けていく。睡魔で力が入らない。
睡眠時間から考えると寝不足というよりも寒さだな・・・
宇和島のコンビニでは少しだけ食べて八幡浜で何か食べよう・・・しかしこれは完全に作戦ミスだった。
この宇和島八幡浜間は35kmほど。
2時間弱で着いてしまうこの距離、この2時間ですべての状況が大きく変わってしまった。
気温はかなり低下、軽いハンガーノック
そのうち笹井が後ろから合流、2人で走る。
八幡浜のPCに到着する直前、すき家があったのでそこに止まろうとしたが、決断が遅れうやむやなうちに通過してPCのコンビニへ。
あまりの寒さにカップラーメンを外で食べる体力もない。
久々の長距離だったからか内臓もかなり弱り荒れているのか吐き気が止まらない。
頭が冷たくて痛い。
体には途中で小さな貼るカイロを貼ったから少しだけマシなのだが・・・
途中のコンビニでニット帽のようなものを探すもなく、気合いで乗り切れということなのだろうか・・・


笹井と一緒に走るものの、長浜の手前で今度は笹井が睡魔に襲われて限界、そのままコースアウトし寝床を作っていた・・・

ここから先は単独走。
真っ暗な瀬戸内海を左手に見ながら松山を目指す。
疲れているからか、松山への距離が一向に減らない。
連盟のコーチで走っているときなんかはあっという間に伊予にたどり着いているのに・・・
長浜からは睡魔と戦いながら走行、道後温泉には4時04分到着。
貼らないカイロを2個だけ購入し、吉野家へ。
朝食メニューをオーダーするもののご飯が全部食べられないが、お茶がおいしい。
食べている最中、そして食べ終わってからのお茶タイムも、気が付いたらホッコリと寝落ちしていた。


どんなに遅くても自転車はペダルを回せば必ず目的地に辿りつく。
油断すると時速20キロ強までペースダウンしつつもペダルを回し続ける。
そして今治が近くなったところで朝日が昇る。
しまなみ海道はてっきり真夜中通過予定で、少し期待していたがまだ真っ赤で力強い太陽と一緒にしまなみ海道来島海峡大橋を登っていく。

太陽を浴びると弱っていた身体は徐々に戻っていく。
最後のPCは瀬戸田のコンビニ。
24時間前にトラブルが発生して精神的に苦しんでいたところというのも、はるか昔の出来事のように感じる。
残る距離は50km、ゼリー1個と水でスタート。
そもそもしっかりとした固形物を食べられるほど体力は回復していない。
ウィンドブレーカーを脱いでスタート。
ここまで来たら30時間は切りたい。
体力を振り絞り、そして追い風に助けられながら・・・あっ、向島から尾道への渡船は到着直前に出発してしまった・・・

ゴールを目指してR2をいいペースで巡航。
走していると福山城が目の前に。ぎりぎり30時間は切れそうな感じ。
だが、いったいどこから入るのだろうか・・・
本丸へと続く門で「ここか?ここでいいのか??本丸へ自転車で行ってもいいのだろうか?」
何かの間違いだろうと思いキューシートを再確認、本丸へと書いてある。
そして月見櫓へ、30時間03分でのゴールとなった。


当初の目標は28時間以内。
2時間の強制ストップを差し引けば予定通りのペース配分だったとも言えるのだが・・・
でもあと1時間以上は短縮できたと思う。
いったい何がダメだったのだろうか
それらをリストアップして、次回のブルべで少しでもスムーズに走れるようにしたい。


スタート前の福山駅北口
今から600kmを走るランドヌールたち80名ほど
朝5時前にこの光景を見たら、知らない人は絶対びっくりするだろうね



鞆の浦から田島へ渡る内海大橋
途中で「へ」の字に曲がっている特徴的な橋だ



田島から横島へ
ここで朝日



横島の南側は、ガードレールもなく落ち着いて走らないと・・・



この季節のしまなみは本当に気持ちい




R378からR197へ合流
右に行くと佐田岬
左折レーンの左側に自転車の右折レーン
こりゃ結構右折が難しいね(笑)



来島大橋を前に朝日が



で、でかい!!



来島大橋での朝日