全日本選手権 マキノへ行ってきました

masahikomifune22013-12-08

日本一を決める全日本選手権シクロクロス
滋賀県マキノスキー場で行われ、JPスポーツテストチーム・マッサ・アンデックスの丸山そして大塚のサポートで行ってきました。


全日本、それは特別。
2000-2001年シーズン、オレは絶対この年にタイトルを獲ると誓ったし、シーズン初めに公言した。
ポラールハートレートデータを元にトレーニングプログラムを自分で客観的に組み立ててデータを解析していたけれど、おおよそ5%はシーズン突入前に前年比レベルアップしていた。
絶対勝てるはずだ。
そしてこのシーズン初めから絶好調、負けなかった。


体力だけじゃ全日本のタイトルは自分の手元に転がってこない。
知力、気合い、そして運・・・
スタート前に周辺の道路でウォームアップへ。
複数で行った方がスピードも維持できるし絶対有利。
しかし俺は一人になりたくて単独でウォームアップに出かけた。
気温はそれほどだったけれど、とにかく無性に震えが止まらなかった。なんだか怖かった。
スタート位置でも実は自分の足が震えておまけに鳥肌が立ってきたのを鮮明に覚えている。
そしてスタート!!


前年度チャンピオンの松井俊明、ぞの前のチャンピオン鈴木雷太、他にも野口忍、小坂父(当時光君はガキんちょだったな)そして長野で同じようにタイトルを獲る!と意気込んでいた優勝候補筆頭で最大のライバルだと読んでいた小平幸永・・・
海岸の砂浜の先にある砂山、そこがポイントだと思っていた。
軽量な選手は1周目を行けるところまで乗っていこうと前を取りに来るはず。
オレは担ぎランに絶対的自信を持っていたし、あえてここは先頭でさっさとランに切り替えて後続を乗車クリアーさせないこと。
その1周目の砂を抜けて、小平とのランデブー。少し離れた松井や雷太、野口らの他の優勝候補パックを葬るため、とにかく先頭で引けるだけ引き倒し、勝負を2人に絞った。
後半の小平は明らかに脚が上がっていないと判断、再び砂山のランニングでアタック。
ラスト2周だったかの1周だけで約30秒ほど開いた。
これでもう勝負はお終い、公言した通りタイトルはいただいた。


それまで長野のクロス関係者に
「強くなりたかったら信州に来い!」と勝っても認めない的発言をされていて、実は俺よりも関西クロス関係者が辛い思いをしていたのを知っていたから、全日本の優勝コメントで
「強くなりたかったら関西に来い」と言ったら、長野クロス関係の人の顔がみんな引きつり、空気がよどんだ。
が、隅の方で某関西クロス座長のY氏が周りを気にしつつも小さく拍手をし続けてくれたことが、関西から初の全日本タイトルホルダーになれてよかったと感じたものだ。


しかし何が凄いって今だから言えるが、ドーピングコントロール関係者皆が祝福してくれ、当時は水だけじゃなくビールも瓶であったのだが、役員の人たちが
「まだ小便するなよ。先に祝杯しよう!」と、ビールで乾杯www
もう漏れる・・・って言っているのに「もう1杯飲んでからにしろよ」と、小一時間宴は続き、黒部から自宅まで、しばらくはほぼ毎PA/SAごとにトイレに立ち寄っていた・・・


みんなタイトルを獲りに来る。その中で勝ちに行くのならば、誰よりも多く、そしてそれに見合うだけの努力をしていかないといけない。

今年いったい何人がその努力をして、俺の監修したパワー系テクニックコース(敢えてここはヒルクライムコースじゃないと言いたい。オレは試走でアウター46Tしか使ってないよ)
コースに適応できたもの、出来なかったもの
集中力を削がれて落車したりパンクしたり・・・
シクロクロスの難しさ奥深さを、この単調なマキノでいくつかでも感じてもらえるように監修したが、伝わっただろうか。


自分も「ウィナーズ倶楽部」の一員である以上、新しいチャンピオンには心の底から祝福したいし歓迎したい。
そのために必要な体力・知力・気合い・運を見せてもらえるコースを提供しただけ。
別に誰か特定の人間だけを有利にしたり不利にしたつもりはない。
しいて言えば、普段からしっかりとシクロクロスバイクでシクロクロスのトレーニングをしているものだけを受け入れるコースにしたかった。それだけだ。

今日優勝したエリートからジュニアまでのカテゴリーの勝者にはおめでとう!と言いたい。
きっと勝つべくして勝ったのだと思いたい。
勝ったのだから今日はしこたま呑んで(未成年者は除く)呆けてしまえばいい。
しかし明日からはまた精進。
勝てなかったもの、勝ちたいなら今すぐにでも努力開始しなきゃ。そのぐらいの意気込みを持たないといけないはずだ。



朝のうちマキノへと近づくうち、上空は厚く激しい雲に覆われてくる



マキノ名物の「メタセコイア並木」



エリートのレースが近づくにつれて天気は晴天


今回はチームを応援していただいている「JPスポーツグループ」さんのテントにお世話になり、スタート前のローラーだったり準備だったりの場所を使わせていただきました