ジロ第15ステージ 雪のガリビエ峠

昨日でジロの解説が終了しました。
今回は第10ステージと第15ステージという山岳コースでの解説。
普段解説することが多いワンデーレースや平坦区間、もしくは丘陵地ステージに比べると活躍する選手が違うので、いつもとはちょっと勝手が違ったけれど、逆に新鮮で楽しんできました。


ジロ・デ・イタリア第15ステージを終え、総合成績は徐々に絞られつつある。
総合リーダーのニーバリの強さが際立っている今年のジロ、他のライバルたちはどう動くんだろ?と今後の動向が気になる。


優勝候補と言われたウィギンスとヘシュダルがともにベストコンディションではなくリタイヤ。
他の有力選手と言えばエヴァンスやウラン、そしてサンタンブロージオやスカルポーニらがまだ追従しているが、ニーバリも未知数と言えるが、ここまでの安定感を考えると頭ひとつ抜け出しているとも言えるね。
昨日のガリビエ峠は雪で身体も思うように動かない中、ライバルたちはなんとかタイム差をつけられることなくレースを終えた。
本来ならば少しでもタイム差を縮めておきたいところだけど、あのニーバリの攻撃をよくぞしのいだ、とみていいだろう。それぐらいニーバリの強さは安定感があり、現時点では攻撃を成功させることは難しいようだ。


昨日の雪のガリビエ峠、ちょうど10代の時に見たガヴィア峠の映像が脳裏に浮かんできた。

15ステージの冒頭でも話をしたんだけど、ちょうどオランダに住んでいた88年、ジロを見ようとテレビをつけたら吹雪で銀世界の映像。
一体なんだ???
そしてラッセル車が走る映像で、きっとジロの回線が遅れていて何か別番組なんだろうと思っていたらガヴィア峠・・・
そしてその峠でレースをしている・・・
頂上へたどり着いた選手があまりの寒さに下れずに頂上で震え、スタッフが励まして下らせたり、リーダーのキオッチョーリも寒さで脱落。
区間優勝したオランダ人ブルーキンクは寒さに鈍感すぎるやろ!!と思う強さでゴール、防寒具に身を包んだハンプステンが区間2位で、結果的に総合優勝を果たした。
ゴールしてくる選手も絶命するんじゃないか??というような姿で、ゴール後に観客らに身体を支えてもらっている状態。

当時のセブンイレブンアメリカを離れたらヨーロッパを転戦していたので、防寒具やら何やらが装備されていたから下れた、と当時そんな話があった記憶がある。
今と違って機能的なウェアーがなかった時代。
みんな死と隣り合わせで下っていたに違いない。

この過酷な状況も含めてのレース、本当に選手は過酷だ。


88年ジロの第14ステージ動画
http://www.youtube.com/watch?v=y5wPEymv-oQ

http://www.youtube.com/watch?v=atEDs2whCDA