2012BRM526中部600


今年の大きな目標は、4月のフレッシュで24時間で600km走行の達成と秋の近畿600で国内600kmの最短時間記録更新のふたつ。
今年に関しては正直なところ他に目標のない年だけれど、4月の中部400kmでまさかの400km最短時間を更新したため、「もしや600kmもこの勢いで・・・」と欲を出したのが予定を狂わせてしまった・・・

コンディション的には400kmのあとはどんどん悪くなっていたのは体感していたし、特に今年初めから右肩の調子が悪く、ポケットにすら手が届かない状態が続いていた。
疲労が右肩に集中して肩が動かないどころか呼吸すら苦しい。
4月にいつもお世話になっている渋谷の鍼灸治療院宮益坂の中山先生に治療していただき、多分奇跡に近い回復で400kmの記録更新だった。
しかしやはりそのあとからはどんどん悪くなってきていて、この600kmの前週は脚にもずっと疲労が蓄積して痛みが抜けなかった。
それでも気力だけでここまできたのかもしれないけれど・・・


今回のペース配分は200kmごとに区切り

  1. 前半を7時間前半
  2. 中盤を8時間前半
  3. 後半を8時間

というペース配分
距離が619kmあり、600kmよりも約45分はロスする計算なので、出来ることならフレッシュなうちに45分を上回るようにしたいところだ。
だが、この安易な考えでの組み立てが多分後半に失速する原因となる・・・
普通に考えれば19kmは45分を要する。と言うことは記録を狙うためには45分をどこかでクリアーしなければいけない・・・


朝4時20分ぐらいにスタートへ
バイクを車から降ろして準備をする。
多分スタート前はバタバタするだろうと前日にほとんどの用意をしておいたので、スタートの前は落ち着いて過ごすことが出来た。

朝5時にスタート。
いつもは東に進むことが多い中部ブルベだが、久々に西へ向かって走り出す。
スタートから距離も長いので何となくお見合い状態??ちょっと遅いので先頭に出てペースを作る。
だいたい30〜32km/hぐらいで先頭を引く。
このペースならZONE 3前半ぐらいの強度なので長時間走る分には問題ない。
しばらく引いて先頭交代する。


大垣の街中は信号が多くスピードが安定しない。上がっては落ち、の繰り返し。
垂井から関ケ原へのR21は向かい風で登り。
しかし他の人がいいペースで引いてくれたおかげで正直助かった。
距離が長くて同じ気持ち(ような目標)で走るならば、お互いに協力して走りたいところだ。
関ケ原ではスタート直前に水分をしっかり取りすぎた(?)からかトイレ限界・・・一時先頭グループから離脱。
PC1までは無理に意識せずに追いつければいいし追いつけなくても構わない、と思っていたが信号で前に合流する。
この関ケ原から長浜へのR365は、琵琶湖一周で大外回りで走るときによく走る道だ。
以前に比べると路面もきれいになり走りやすくなったし、PC1まで下っているおかげでスムーズに走っていく。
PC1は特に用事もないのでドリンクだけでスタート。1分半の滞在だ。
そしてここからは一人旅。
無理にペースを上げぬよう、29〜32km/hペース。ZONE 2〜3が基本レベルだ。
R303に入りアップダウン区間へ。
一度登りで後ろが合流しかけたが、次に振り返ったら再びいなくなっていた。
PC2では補給食を少し摂取しボトルのドリンクを補給する。


R303、若狭街道
ここから小浜までの峠は滋賀県側からはきつくない。
時速20〜25km/hでケイデンスも70回転ぐらいで走る。
頂上付近のトンネル、入り口付近で後ろから来たトラックが急ブレーキで背後に付きクラクションを出口まで延々後ろから鳴らされ、時折横に来て何度も幅寄せ、そして前で急ブレーキを繰り返される。
ナンバーを確認しようとしたらナンバープレートに死角を作っていて、微妙にナンバーを確認できないようにしていた・・・
抜かれてから追いかけようとしたが、さすがに現役時代のスピードもないし、ここで深追いして体力を使いすぎたら確実に途中で爆発してしまうので仕方なく諦める。
相当な数のサイクリストを抜くのでイライラしたか、後続でフラフラしているサイクリストがいてとばっちりを食らったのかもしれないが、どちらにしろ未だにこういう心無いドライバーと道路を共有しているのは悲しいことだ。


下りきって西へ。R27、丹後街道に入り舞鶴へと向かう。
ここは舞鶴敦賀を起点に大型車が行き交う幹線だ。
北陸から西日本へ行くなら、敦賀で高速を降りて舞鶴まで走る方が関西圏の渋滞もないので楽なのだろう、結構頻繁に大型車が走っている。
そしてその影響でアスファルトの粗さは半端ない。
確実にスピードは落ちていた。
原発の影響(?)で異常なほど道のきれいな高浜に入るまでは精神的我慢状態。
舞鶴のコンビニで150kmほど、ここで少しだけ食べ物を口にする。
しかしあとになって考えれば、ここでもう少し時間をロスしてでもしっかり食べた方がよかったかも知れなかった。
今までの経験で150kmは特にしっかりと補給をしなくても走ることは可能だが、200kmになると厳しい。

PC3を出発して油断していたらいきなり自転車通行止め区間
ん?キューシートには迂回路の記載はないが・・・まぁ他のブルベだったら記載するけど中部ブルベなら記載せずに自分力を試してくるかもなぁ〜(笑)と左側の自転車迂回路(高架下)へ抜ける。
舞鶴へ突入。交通量も多いし走りづらい。
そして由良川を越えてR175。大江へ向かう道だ。
比較的交通量も少なくなり走りやすくなってきた。


203km地点のPCで到着時間は6時間57分
19kmの3分の1にあたる約6km走行に必要な15分を足すと大幅記録更新ペース。
22時間台も余裕か・・・
5分ほどの休憩でそのまま走行開始。
夜久野の道の駅を越えると兵庫県へ突入。


ここからは舞鶴道へと抜ける幹線と合流するので交通量が一気に増える。
交通量も多いし信号も多い。そのためリズムも作りにくい。
バイパス区間を避けて旧9号へ。
ここの信号で2分以上を止まる。なんと無駄な停止時間・・・
ここからハチ北まで延々と登っていく。
きついのは最後の3〜4kmだが、そこまでも一定の勾配で登っているのでスピードは速くない。
あまりスピードが落ちすぎないように意識して走る。
このハチ北への登りから折り返し地点へと行き、再びここへ戻るまでの区間およそ200?が一番の難所となるだろう。
ループまでの登りは39Tx23Tメインで走る。
ループまでの区間がまっすぐ登っていくので精神的にも辛い。ここは我慢しかない。
登りきると下り基調で鳥取県を目指していく。
出合橋からの登りも集中していく。多分ここが往路最大の難所だ。
ループ手前の方が勾配はきついが、登り勾配と距離のバランスを考えるとここが一番か。
蒲生トンネルが見えると気持ちも軽くなり、トンネルを抜けると鳥取県。急勾配の下りを一気に下り鳥取砂丘を目指す。
下りきると風向きが変わる。が、この方が復路では都合よい。
さすがに疲労感と空腹感を感じるようになりスピードがあまり上がらない。あと何kmで折り返し、と自分に言い聞かせて我慢の走りが続く。


鳥取砂丘へ向かうルートでスピードがダウンしていく。さすがに310kmはきつい。
そして折り返しのコンビニ、スタートして10時間59分。目標よりも30分は速い。
折り返しのコンビニで少し多めに補給し、ポケットに入らないものは食べながら走るようにする。
鳥取砂丘からR9へ。ここから微妙に風は追い風か。
蒲生トンネルへの登りはさんいん1300でも嫌な登りの一つ。
追い込みすぎないペースで登るよう心掛ける。
39T×25Tでクリアー。下りでは53Tx11Tでペースアップしていく。
往復コースだと基本的には往路も復路も同じだけ上るのだが、このコースは往路の方が登りが少なく感じる。
蒲生トンネルから養父までもイメージは上ってばかりだ。
まず途中経過の目標として、ループを下りきるまでは日が暮れないうちに、と言う風に走っていた。
登りであまり体調がよくないのか、自分でも苛立つぐらいにスピードが上がらなくなってくる。
そしてループの下りへ。
ライトは安全のために1つ点けているが、視界はライトなしでも十分なうちに下りきれた。


養父のPCへ到着。
ここはなるべく早めに通過して福知山のコンビニでしっかり食べる作戦。
まだ往路の人が結構ここで購入して、あまり欲しいものが買えないのでは?と考えたからだ。
しかし結論で言うと、この養父のコンビニと福知山のコンビニの使い方での失敗が最終的にタイムアップできなかった要因だと思っている。
福知山のPCの直前で明らかにハンガーノックの症状がでていたからだ。
このコンビニを過ぎて養父の町へ向けて下りきったあたりでライト点灯開始。暗くなってきた。

養父から夜久野へは豊岡方面からの道と合流し、福知山(京都)方面と大阪以西に抜けるまでの間は幹線道。時間帯によると結構渋滞を起こす区間だ。
しかしさすがにこの時間だと車も少し減って走りやすい。
そして京都府に入ると車が来ないと真っ暗。そして突然ライトが上向きの車がやってくるので視界が確保しづらい。
軽くハンガーノック状態で福知山のPCへ。
15時間23分。410kmなので残り210kmを8時間。
ということはアベレージ25km/h
思っていたよりも速いペースでいかないと無理なのか・・・
小浜から滋賀県への登りや、マキノから木之本までの登り、そして関ケ原までの登りを考えると実はけっこう、というかかなり厳しいペース。
やはり復路の登り基調で相当時間を失っている。

ここでは少し落ち着いて食べるようにしないといけないのに、少し冷静さを失ってしまう。
本当ならここで温かい食べ物を食べるはずが食べ忘れていたり・・・


福知山から大江、舞鶴へと向かうルートに入って明らかにハンガーノックが原因で睡魔に襲われていることに気付く。
スピードも全然乗らなくなり、ペースを上げないといけない区間なのに、今までの貯金を徐々に食い始めている状況。
そんな最悪の状況で舞鶴に突入、信号にも舞鶴を抜けるだけで9回も引っかかり、完全にペースは潰れていく。
舞鶴のPCは460kmほどで17時間23分。
400kmで考えれば新記録ペースだが、419kmだとギリギリでない。
そんな状況なのに異常な胸焼けで食欲はない。
日中暑いときに甘いもの中心で走り続けた結果だろうか・・・

ここからのコースプロフィールを考えると・・・
ここで完全に戦意喪失、集中力が失せてしまった。
もしかしたらもう1プッシュする気持ちがあればギリギリのところで奇跡は起こるのかもしれないが、肩の痛みや脚の痛みでそういう気持ちにならない。
小浜手前で集中できずコンビニに立ち寄り休憩。
滋賀県までの登りも向かい風の影響もあり時速10km/h強しか出ないし下りでも30km/h以下。
今津のPCでは久しぶりに携帯電話の電源を入れてメールなどをチェックしながら温かいスープを飲む。
気が付くと気温は12℃ほど。とても5月末と思えない。
そして西浅井のコンビニでは無性に暖かいものが食べたくなり、うどんを食べる。
かなり長い間休憩し、最後のPCへ。
もうすぐ夜が明ける。
当初の予定だとこの時間では大垣を抜けていたはずなんだが・・・


最後のPCは最低限の補給のみでスタート。
関ケ原までは緩い勾配ながらも延々と登り続けている。
もうすぐで頂上というあたりで明るくなりはじめ、垂井から大垣にかけてのあたりで太陽が昇り始める。
太陽を見ると少し活力が湧いてくる。
大垣の信号を抜けるともうすぐゴールだが、信号をが多すぎてなかなか進まない。
そして5時55分、ゴール地点へ。
23時間台で帰ってくると速い時間から待機してくださっていたスタッフは、力尽きて寝てしまい、初めてゴールしてからスタッフを起こす結果となった(笑)


今回の600kmは心身ともに準備が万全じゃなかったことが,
自分に負けてしまう結果になってしまった。
150kmごとにもう少し補給とリフレッシュを行えていればタイムは更新できたのかもしれない。
600kmの自己ベストではゴールしているが、まったく達成感も感じられず失望しか残っていない。
まずは完全にリフレッシュし、気持ちよくロングライド出来るレベルに回復させたい。




走行データ

  • 走行時間:24時間54分34秒
  • 走行距離:613.50km
  • 平均時速:26.6km/h
  • 平均心拍数:100
  • 平均ケイデンス:77回/分
  • 積算高度:3,995m
  • 消費カロリー:17,965キロカロリー

PCでのストップタイム

  • PC1:西浅井 1分28秒
  • PC2:今津 2分33秒
  • PC3:舞鶴 5分30秒
  • PC4:福知山 3分24秒
  • PC5:養父 3分44秒
  • PC6:鳥取 6分32秒
  • PC7:養父 4分48秒
  • PC8:福知山 7分50秒
  • PC9:舞鶴 5分31秒
  • PC10:今津 8分02秒
  • PC12:西浅井 1分45秒