そういえばツール・ド・リムザンで新城くんが区間勝利を挙げ、総合でも2位と大健闘している。
俺もヨーロッパで走っていたから、リムザンで活躍すると言うことがどれだけ大変かは理解している。
こういう若い世代たちがどんどんと扉を開いていって、更に次の世代が突き進んでいって欲しいね。
チームは違うし普段は敵。
でも日本と枠で見れば同士。
自転車の世界の中心はヨーロッパで、それ以外は後進国だ。
だからその後進国から中心で戦うと言うことは、少しずつ、一歩ずつ進んでいくことだと思う。
重い大きな扉を誰かが開け、そして後から来る者に託す。
俺がヨーロッパに行ったときも、先駆者である市川さんらがプロと言う道を切り開き、後進国である日本にも希望の光が差し込んだ。
そして俺を含め多くの選手が次の扉を開けて次の世代へと繋いだつもり。
この道の扉は決して閉じちゃいけないし、どんどん進んで次の世代へ託す。
後進国だからこそ、それを感じずにはいられない。

しかし個人で進む道、俺の歩んだ道はいつか扉を閉めなきゃいけない。こちらは開けっ放しじゃないけない。
開けたら閉じる。
実は開ける事よりも閉じることの方が難しいかもしれない。
開けるときなんか何も考えず開けたのにね。

あと130日ほど。
今は最後の最後まで何があるかわからない、もしかしたら急にナショナルチームに召集されるかもしれないし、海外のチームからオファーがあるかもしれない。
まだ秋のレースの予定はチームから発表されていないのでわからないけれど、急に呼ばれても良いコンディションで挑めるよう、ホント最後の一日まで妥協しない選手でありたい。
それが次の世代へ扉を開くってことじゃないかな、と俺は考えている。
今のうちに
もう走れない!
って言えるほどに走りまくっておかなきゃね。