忘れ物

忘れ物

全日本選手権シクロクロス、6位と言う全然良くない結果でフィニッシュ、先週からバタバタしていた疲れかスタート直後にギブアップだった。
少し自分でも悟っていたことなんだけど、今シーズンはシクロクロスシーズンに入るところからあまりやる気が起きなかった。
イタリアで行われる世界選手権と言っても参加したいという気持ちも起きなかったし・・・
俺の場合、他の選手に比べて気持ちだけで走っているので気持ちが入らないと万人以下なのは自分でも理解している。今シーズンは練習しているときは悪くなかったけど、何のための練習?って自問自答するとシクロクロスで世界とかタイトルとか、そんなところにターゲットはなかった。やっぱロードなんだよね・・・
俺はシクロクロスも走るけど、ロードあっての三船雅彦。だから全日本でも「噛み付いてでも」って気持ちが湧くこともなくゴール。
応援に来てくれた人には悪いなと思うけど・・・

木曜日からしばらくロード三昧。
2000年だったか確か1年の間に108レース出場。シクロクロスを入れると120レースほどこなしていた。あの時の俺は疲れるというよりも楽しかったし、日に日にタフになっていくのを感じた。やはり俺の場合はあそこに原点があると思う。
日本に戻って少しずつ自分に甘くなっているのかも。
環境が変わっても自分を変えちゃいけない。相手が誰でも勝負事は常に本気。時間が経過するたびに歪んできていたようだ。
この5年、一日単位で見ると見落としそうだけど、5年前、10年前を見てみると確かに何か大きなものを忘れてきている。ヨーロッパにとてつもなく大きな忘れ物をしてきているじゃなかろうか・・・

昨日のレース直前、シマノの関係者か多くの外人さんがコース脇を徘徊。
その中に見覚えのある人が。
オランダ人で88年に所属していたときのチームSchijendel(シュハインデル)のコーチ、マルクだ。
俺は弱すぎて彼のメニューもこなせなかったし、それ以前にまともに相手にもしてもらえなかった。
結局俺には理論も何もなく、ただ「走れ」と。
あの時ただ走っていた、強くなりたくて走っていた、理屈も何もない俺は今の俺と同じ人物??何かとんでもなく「大きなもの」を忘れてしまっている・・・
こんな世界の僻地でマルクに会うとは・・・きっとこれも何かの知らせだろうか

あと1年となったラストシーズン、俺はただ走る。そう、走ればいい。
原点に戻って「ロードレーサー三船雅彦」として。
そして「大きな忘れ物」が何だったかも忘れてしまった今の自分を、この1年で再び研ぎ澄まし、そして忘れ物を取り戻す「旅」に出たいと・・・

87年のオランダクラブ選手権チームロードにチームの代表として出場。
ただ走っていたんだよね、ただ・・・