夢の中で

久しぶりにレースのない連休。
社会に貢献している社会人という生活形態じゃないから、特に連休だからとまとめて自転車に乗るという習慣があるわけでもなく(休みになった人たちと一緒に走ることはあるけれど)逆に子供の学校が休みだから、レースがなければどちらかと言えばあまり選手らしくないかもしれない。
ただ強いて言えば、残る重要なレースを前に手を抜けない状況ではあるということかな。
6日の日は昼過ぎまで子供2人と一緒に過ごし、午後から練習。
7日は一日家族で遊びに出かけていたし。
それよりも選手という職業じゃない人たちが、空いている時間で自転車競技を行うためのトレーニング、そして家族サービスをしていることの方が驚く。俺には出来ないよなぁ〜〜〜って。

ベルギーでプロとして最後に走ったプッテ・カペーレンから早5年が経過した。本当に早い。
向こうの小さなコンチネンタルチームでもう一度一から這い上がって…と考えた時期もあったが、今では国内に戻って良かったと思ってはいるが、自分でも感じているけど多分半分ぐらいはそう思うことにしているように感じている。
たまに恐ろしいぐらいにリアルな夢を見る。
もしかしてああいう立ち回りじゃなかったら、まだヨーロッパで走っていたんじゃないか?とか、自分の失敗というかターニングポイントになったような瞬間に戻ってからのシミュレーション的な夢が多かったりする。
でも結論が同じ形で終わる夢だったりすると、結果こうなっていたんだろうなぁと思う反面、俺という人間は良くも悪くも常にそうだろうとも思う。
同じ時代、海外でプロ選手だった今中さんや浅田さん、栗村くんらのように社交的で知的センスもない。
きっと俺という人間はこれからもずっと、良くも悪くもずっと一緒なんだろうなぁ、歳とってももしかして変わらないかも、と自分でも思えてくる。
今朝も久しぶりにそんな夢だった…

〜〜〜
どこかわからないけれどヨーロッパでのプロレース、俺は相変わらずランドバウクレジットのメンバーとして出場していた。
スタート直前、俺の後輪はスローパンク。すぐにメカニックに他の後輪に交換してもらおうといくも、なぜかビニールでぐるぐる巻きにされた新品ホイール。スタート時間が迫るのにビニールがめくれない。
カニックがじたばたしている間にアップクリームが塗られていないからマッサーに塗ってと頼むと、これまたダラダラと作業しない。そしてスタート…
まだすぐにチームカーで追いつけるから、と相変わらずダラダラするスタッフの横で俺は極限でイライラが続き、用意が出来たらチームカーはおらず、俺は放置状態、そのままスタッフに暴言を吐き捨て、そばで見ていた監督は静かに立ち去ろうとしたので俺は横で助けを求めたが、そのまままったく無視されて俺はただ一人、そこに立ちすくんでいた…
ああ、俺はこのままクビになるんだろうなぁ…と。
〜〜〜
そこで夢から覚めた。
もちろん現役時代、そんなことはなかったし、スタッフにもそんな怒りを感じたこともなかったし、そんなダラダラした作業のスタッフじゃなかった、念のためだが。それに俺がチームと契約更新できなかったのも、そんな理由じゃなかった。
でも結局夢でも監督は俺にチャンスをくれなかった。夢でも結論が変わることはなかった。

もし夢が何かを暗示してくれているとすれば、この夢はいったいなんだったんだろう…なんで夢ぐらい夢から覚めたくないって思わせてくれないんだろうね。きっと自分の意識の奥底に何かその夢になるヒント、もしくは潜在的な予知能力部分で、俺に何かを働きかけているのかもしれない。
今日から連休も終わって一般の人も現実の社会へ。
そして俺も夢から離れて現実に戻らないとな…