負けて勝て

今日の練習はすべて試練みたいな内容だった。でもすべて最初の予定通りになんか物事は進まない。あまりにもギャップがありすぎると、精神衛生上よろしくないが
「世の中すべて上手くは進まない!」
ぐらいの気持ちも持ち合わせていないと、ロードレースなんかこんなに長い間やって来れっこないよな、とも思う。
2人走っても200人走っても勝者は1人。
野球やサッカーのように「勝つか負けるか」ではなく「まず負ける」スポーツだと思う。
年間に50勝もしたメルクスでさえ、当時は200レースほど走ってる。勝率2割5分。バッターだったら7番ぐらいか・・・今じゃ20勝でも偉大な選手になってしまう。
昨シーズン、サウスチャイナシーから丸岡までに4勝したが、日本人の中ではベスト5に入っているんんじゃないかな・・・でも勝率1割ぐらいか・・・


昨日のVTMのネイスとファントーレンホウトのインタビュー、ワン・ツーフィニッシュを決めたTEAM Fideaの二人とは対照的にラボバンクの二人のインタビューのコメントは、かなり厳しいものだった。
ファントーレンホウトはパンクで優勝争いから脱落。今期いい成績を残してきていたから、自分の走りを出来ずにレースを終えてしまった後のインタビューは悲痛だった。
今のベルギーは強すぎて、誰が世界チャンピオンになってもおかしくない。現にフェルベッケンはチェコで、ワレンスもイタリアで、ネイスはドイツで。ファントーレンホウトはチェコのアンダーで優勝、アルノーはオランダでアンダーの世界チャンプだったと思う。
ファントレーンホウト的には世界チャンピオン、もしくはネイスのアシストで結果を残す、といったことを思い描いていただろうが、他のベルギー人チームメートを配慮したコメントだった。
「優勝の可能性はあった。でもそれはワレンスもだし・・・みんな(ベルギー選手)にチャンスは・・・自分は今日は絶好調だった。(世界チャンピオンになるために戦った結果)その答えはノーだった・・・」
自分の思いを口にする前に耐え切れず泣き出した。
ちなみにファントーレンホウトは、トニステイナー時代にサクソンの社長を介して紹介され、一緒に食事をしたことがある。まだアンダーになった年だったと思うけど、将来は必ず世界チャンピオンになる選手だ、と社長から聞かされていた。


チェコでアンダーの世界チャンピオンになったときのファントーレンホウト。彼は常にバイクを左担ぎ。この利点は右斜め前にある階段や、左のターンでバイクを担ぐときなど、普通の選手に不利に働くときに一人だけ有利になる。もちろんみんなに有利なときにはハンディがあるはずだけど

ネイスのレース後のコメントは、4人で4番手を走っていたことを反省し(コメンテーターに4番手だったことが問題だったのでは?と突っ込まれて)
「確かに今日のコンディションは好調と呼べるものじゃなかった。しかし十分優勝できる可能性はあったし、非常に残念だ」と、最終周回にすべてを失ったネイスのコメントも、やるせないものだった。