回復へ

謎の医者の住む香港

昨晩無事に香港から帰国した。
元旦から左足に太もも2つ、ってぐらいに脹脛が腫れあがり、正直「絶望感」とともにマカオへと入境。
脛の裏側のあたりが欠けたためか、それとも脹脛が断裂したためかで恐ろしいほどに意識が朦朧とした状態でマカオへと入った。もし一人部屋で一人きりだったら、気がおかしくなって、自転車をやめていたとしても不思議じゃない。
でも多くの友人達が励ましてくれた。ナショナルチームの西谷や盛なんかも部屋に遊びに来てくれ、精神的にはかなり助けられた。
香港に戻ってからもまともに歩けなかったのが帰国する前々日に謎の医者の診療所へと連れて行かれ、診察後には歩けるようになっていた。
そして夜中までスティさせてもらっていたワイさん(ソウル五輪のロード代表)が脚をマッサージ。最初は歯を食いしばるほど痛かったのが、徐々に快適に感じ始め、翌日にはかなり普通に近い状態で歩けるようになっていた。
帰国前夜
ふくらはぎの切れている箇所が電気が走るように刺激が止まらない。苦しみながらもどうしようもできず、そのまま気絶するように眠り続けた。
空港まで送ってもらう間も眠り続け、空港に着いたときには重いカバンを肩にかけて歩けるようになっていた。

今までの20年間ほどで、4日以上もバイクに跨らなかったのは初めてだ。
落車で膝の骨が見えたときも、縫合して4日目でトレーニング開始。
肩甲骨を骨折したときも腕を固定して3日目からローラーに。
そう思うと今までで一番重症なのは間違いない。でもそれがますます一日も早く回復して見せてやる!と思ってしまう。

そして今日は6日目。
俺はバイクに跨った。
左ふくらはぎにビリビリと感電しているように電気が流れるようだ。だが1分ごとに足の筋が伸びてきている。すぐにダンシングできるようになった。
強烈な北風で前にはほとんど進まない。でも進んでいるには間違いない。
踏めば進む。それだけで今は十分だ。レースまではあと一日ある。
はっきり言って痛い。しかし漕げる。バイクを押してのジョグなら何とかなりそうだ。
明日のレース、行けるところまで行ってみよう。
左足がダメなら右足がある。

明日はめでたい37歳の誕生日。
自転車に乗れない誕生日があってはいけないのだ。