2012 Fleche

御前崎手前の休憩を終えて、このままどこまでも追い風で、と言う気持ちも国道150号を東へ進路を変えた途端に向かい風に。
みんなで少し短めのローテーションで先頭を引く時間を短くする。
とにかく消耗しすぎないよう、みんなで分担してスピードが落ちないようにしていく。


焼津からは大崩海岸へ。
御前崎からここまでは穏やかな海岸線が続くのにいきなり男っぽい、激しい海岸線で個人的には好きな道だ。
下りきる手前の、がけ崩れで通れなくなった道路跡は圧巻だ。
この大崩海岸の登りは、ロードレース的に言えばギヤをかけて一気に終わらせる「丘」だが、ここでは心拍を上げないようにゆっくりと登る。

そして下りきって静岡へ。
ここからいちごラインの終わりまで、恐ろしいほどの追い風。
このまま行ってしまうとどれだけ楽だろう、って考えてしまうスピード。ずっと40キロを越えている。
しかしここ気を付けることは、オーバーペースにならぬように走ること。
その気になれば45キロを超えることも可能だが、余力を残して、かつ速いスピードを維持する。
俺はなるべく先頭に出てペースを作っていく。
今回のメンバーで言うと俺自身が一番走れるということは間違いない。
だからこそみんなの負担を減らすように、なるべく労力をたくさんにして、均等に近い疲労にしていくようにする。

清水から次のチェックポイントまでは約90km。山越えを考えるとこの区間はかなり厳しくなる。
が、あまり時間をかけると峠の下りで暗くなりスピードダウンしてしまう。
願わくば峠は明るいうちに下り切りたい。
清水では約9分の停止。
トイレに行って補給食を買う。
サポートカーは確実にナイトランの準備に回ってほしかったので既に伊東に向かっているのでこのポイントはノーサポート。


清水の町を抜けると風は向かい風へ。
静岡の町に入るときに少し気になっていたのだが、すごく快晴なのに富士山だけがかすんで見えない。
それもなんとなく雪が降っているような・・・
そして徐々に風が冷たくなり風向きも北風に変わり始める。
これはもしかすると後半苦しむかもな・・・


由比のあたりでは既に風は向かい風で冷たくなり始める。
富士川を渡るところではかなりの長い時間信号に引っかかったり、沼津までも少ない信号だがほとんど引っかかったりとスピードは徐々にダウンしている。
傑作だったのは、俺たちが通ろうとする点滅信号に子供が走ってきてボタンを押し、あと3秒ほど足りずに赤信号へ・・・凹む

峠でどれだけペースダウンするのかが読めない。が、下りきったところで平均時速25km/hを越えていないと後半を考えると少し厳しい気がする。
そのためにもなるべく無駄を省いて少しでも早く伊東には行きたい。
ペースを上げないが落とさない。
そのリズムを延々と24時間続けるようにする。


沼津から修善寺に抜け県道12号で冷川トンネルを抜けて伊東へ行くルート。
さすがに後半を考えるとこの区間で無理をして走るのはよくないし、チェックポイント以外で補給をしておきたい。
冷川への登りの途中のコンビニで補給。
みんなボトルの水がなかったり少しお腹が空いていたりしたようだ。
ここでの休憩は必ずターニングポイントになるな、と感じる重要な休憩だった。

そして本格的な登りへ
基本はZONE 2域での走行で、先頭でZONE 3で走行。それは登り区間でも変わらない。
スピードで走るのではなく運動強度をベースに進んでいく。
登りでは誰一人遅れることなく進んでいく。
頂上手前で体が冷えてきて小便ストップ。
ここから頂上までの約2分強が今回の24時間で唯一ZONE 4に入った区間だった。


明るいうちに峠の頂上に到達。
これなら楽勝で伊東へは明るいうちに下れる。
事故のないように安全なスピードの範囲で峠を下りきる。

午後5時52分、走り出して10時間52分後に287km地点の伊東へ到達した。
ここがほぼ中間地点、ここでこれから始まるナイトランに備えてインナーウェアを含めて着替える。
汗で体が冷えるとパフォーマンスが落ちるのでインナーまで交換だ。
ヘアーバンドも汗をかいているので新しいものに。
グローブも冬用にしライトもナイトラン仕様に交換。
そしてチェーンにも軽くオイルを注油。
温かいスープを飲み噛めるものを食べて、いつもより少し時間をかけて準備していく。
約15分ストップ。ここまでで一番長いストップだ。
これで時間的貯金は約15分に減る。
最終的にこれが600kmを走るタイムリミットか。
後半は取り戻せる可能性のあるルートらしいが東京北部を抜ける際に信号などでどれだけロスをするのかまだ読めない。
あたりはかなり暗くなろうとしている。
そして2つのライトを頼りに闇の世界へと突き進んでいく。


快晴で気持ちよかったR150御前崎付近。
全行程で一番気持ちよく走れた区間かも知れない



ナイトラン仕様にして伊東を出発
前灯、尾灯、ヘルメット尾灯 すべて点滅ではなく点灯
ここからは闇へと突入する



この伊東のコンビニを使うために、Uターンは認められないのでいきなり地道区間で迂回
このルートを設定したメンバーに感激!!
普通なら絶対これは思いつかない(笑)