BRM331中部300

PBPを含めてこれが24回目のブルベ。

先に結論を言うと今まで走った国内ブルベの中で、間違いなく最大級の過酷さだった。
ここまで気温が低くなると体の機能がおかしくなるのがわかるほど。
正直ここまで低温になるとは思っていなかったし、風の強さも半端じゃなかった。
もう少し万全に準備をしていれば多少は違ったのかもしれないけれど多分来週のフレッシュの方に気持ちが入っていて、今回は準備も完璧じゃなかった。
その証拠に防寒着もロクに持参しなかったのだが、それを見透かされていたかのような最悪コンディションだった。


さすがにこの天気だとDNSが半数を占めたらしく、スタートは40人弱と少ない。
この悪天候で先も長いのでスタート時間が来ても飛び出していくわけではなく、ジワ〜〜っとみんな徐々にスタートしていく。
30km地点のPC1はTOJ美濃ステージで知っている場所。
ここに行くまでも特に難しいところはなかったのだが、なんとなく集中できずに走っていたこと(どうも複数で走っていると集中していないことが多い)一度右に曲がるところを左に曲がっていた・・・
それでもPC1は最初の予定よりも4分ほど早く到着。
出発は雨だとスムーズに準備できず約3分後にスタート、この時点で全体のアベレージで25km/hとタイムテーブル通り。
しかし逆に言えば平坦区間で全く貯金を作れていないので、全体でみると予定よりも遅れる可能性が高いということになる。


ここからは美濃ステージの逆走で徐々に高度を上げていく板取川沿いのコース。
雨が時激しくなり、風も強くなってくる。
県道81号が終わろうかと言う頃に突然のシークレットコントロール出現。
よくよく考えてみると、美濃のPC1以降、郡上にまっすぐ上がることも可能だ。
(実はこのコントロールに出会うまで、そのことにも気付かないぐらいのゆとりのなさだった)
このあたりから一人旅。
タラガトンネルを越えてからの下りは軽快に。だが徐々にチェーンのオイルが切れてくるのがわかる。
PC2直前の変則交差点に止まった際にサドルバッグからチェーンオイルを取り出して注油。
PC2ではここからしばらく補給できないうえ気温が下がり始めているので、温かい肉まんに缶コーヒーを購入。
指がかじかんできているのか、グローブをはめようとするとぎこちないことに気付く。


ここから堀越峠。
標高差はたいした坂ではない。標高差300メートル強。およそ7kmなので平均で5%。
つづら折れで急斜面を這い上がっていく日本ではないような峠で気持ちよく走っていたが、いきなり路線バスが来てビックリ。
こんな狭い道路をバスが来るとは思いもよらなかった・・・

頂上の方はガスがかかっている。
頂上だと思ったらまだそこから少し上っていた。
ここから下り。
どんんどん気温が下がり、体の震えで自転車が不安定になる。
そして肩から先に血が入ってきていないのか手離しがまともにできないため、補給食もちゃんと補給できない。
道路の気温表示は2℃
もう桜も咲いている地域もあるというのに、まさか気温2℃とは・・・
立ち止まって補給を取ろうとしたら、改めて雨量に驚くほど。
背中から大粒の雨が叩きつけられ痛い。追い風だったのであまり気付かなかっただけか・・・

金山まで下がると気温は6℃ほどまで回復。
しかし体が心から冷えているのか寒さで頭がボォ〜っとしている。
ここから佐見川峡を進み桜峠を目指す。
勾配は緩いがスピードはあまり上がらない。
それよりも再び気温が低くなりはじめ、そして雨量が半端ない。
さらに風、というよりも嵐になっている。
インナー(39T)で19〜23Tで巡航。
桜峠は最後の500メートルでしぶといなと感じた以外は特に難しい峠でもなかったが、下りに入るとかなりの急斜面区間も出現。
身体が冷え切って微妙なブレーキコントロールができてない。
一度立ち止まってブレーキアジャストを調整、効きを良くする。
下りきったときにかなり消耗している自分に気づく。
飴の包んであるビニールすら歯で破れない。
あと10kmも走れば折り返し地点。
この丘の向こうがどんな気温かはわからないが、今はまるで大きな冷蔵庫の中で作業しているような辛く寂しい、出口の見えないトンネルの気分。
とにかく自分を見続けて走るのが精いっぱいで、キューシートを見るとか今後の戦略を考えるとか、何も先のことは考えられない。
今だったらリミッターを解除したら簡単に人格崩壊させられる自身がある。
そう言い切れるほどに寒くて自分的に限界だ。
いや、まだまだ限界はきていない、限界なんてものは自分で引いた都合のいい線だ・・・
そんなことを考えながら、葛藤しながら走った数km、やっと折り返しのPC3に到着。
足先や指先は寒くて麻痺しているのか感覚はない。
レジでもお金を払うのが一苦労だった。

ここで温かいスープを購入。
体の中から温めないと、何か適当に食べて体から熱を作れるイメージがない。
そして主催者の方にガスコンロで手を温めてもらう。
そして貼るホッカイロをグローブの内側と手の甲の間にはさみこむ。
実に18分ほど停止。これは最近の自分のブルベの休息時間で一番長かった。


止まり続けても回復なんてしないので手が温まってきたころに出発。
ここからは少し下り基調。
まだ体が寒さから回復していないので補給食を食べるのもままならないが、それでも桜峠付近の自分とは明らかに違う。
恵那までこのまま順当にいけば、走行時間は13時間はかからないだろう。


恵那の手前でキューシートは右となっているのにためらわず左に曲がったりと寒かった影響か判断力が戻っていない。
まず走りながらキューシートを見てという判断が鈍いなぁと気付く。
こうなると暗くなってしまうとただでさえ地理感のない地域、あまりよろしくない。
しかしい先を急ごうとすればするほどにミスが続く。
結局恵那駅を通過するまでになんでもないところで合計5kmもロスしてしまった・・・


恵那から明智への県道407号。
かなり緩い勾配で進んでいくが、このあたりに来るとかなり体力的にもゆとりはなく、スピードは上がらない。
そしてこのあたりから徐々に向かい風。それも相当きつい向かい風だ。
気持ちは焦るほどに体は前に進んでいかない。
PC4のコンビニまで残り9.7kmを気持ちは焦っているのか700メートルと勘違いしたり、自分でも恐ろしいほどに気持ちと体がつながっていない。

PC4で残り80kmほど。
多分ここが重要なポイントになるだろうと、ここでハンバーガーと暖かい缶のスープ、そしてホットコーヒーを補給。
下り基調、最後のPCから40kmしかないので多分補給はほとんどしない、そう考えるとここでプラス3分しても補給はすべきと判断。
ここからはアップダウンが続くものの下り基調。
徐々に暗くなりはじめ、230kmを越えたあたりからライト点灯開始。


国道363号から県道13号に入るところは、気持ちが早く曲がりたいからか右カーブになるたびにスピードダウンをして確認。
下りはかなりの急勾配で曲がっているのでライトでは走るラインがはっきりと見えない。
もう少し疲れていなければ夜目が効いて恐怖はないが、明らかに目がついてきていない。
おまけにキューシートが見えないので、迷いそうなポイントで止まり、2〜3つ先の指示を暗記するようにする。


PC5までの多治見の町は、久しぶりに見る「都会」
コンビニでカレーまんとホットコーヒー購入しコーヒーを飲んでから、カレーまんを口にくわえた状態でスタート。
丘越えのアップダウンが続いた後に平坦基調へ。
国道21号に入ると木曽川沿いを下っていく。
風は相変わらずの強烈な向い風。日が暮れたというのに風がやまないなんて相当運のない日だ。


それでも何とかラスト5kmを切る。
キューシートの最後の3行、雨に濡れて半分千切れてしまい左右の指示がわからなくなってしまったが、ここまで来たら目視で確認可能だ。
予定よりもかなり時間をオーバーしてしまったが無事にゴール。
13時間21分(実際はスタートしてから2分後にスタートしたので走行時間は少し短いが)
途中でミスコースした分が13時間を超えてしまった要因か。
しかしこのコンディションを考えると満足せざるを得ないレベルか・・・


来週末はとうとうフレッシュに初挑戦。
本当はここで11時間半を切って挑みたかったが、コンディションは悪いわけじゃない。
あとは他のメンバーとお互い協力しあいながら助け合いながらゴールまで一緒に頑張っていくだけだ。



走行データ

  • 走行時間:13時間19分
  • 走行距離:308.50km
  • 平均心拍数:106
  • 平均ケイデンス:79回/分
  • 消費カロリー:10,698キロカロリー
  • 積算高度:2,965m
  • 平均気温:7℃


PCでの休憩時間

  • PC1:02分45秒
  • PC2:03分06秒
  • PC3:17分55秒
  • PC4:06分36秒
  • PC5:03分18秒