ヒーローと

Johan Museeuw

さぁ、明日はレースだ。アンダーのレースが始まるぐらいの時間に試走のためにコースへ。俺は丸山と一周目の状況を見るべくチームの専用駐車場からコースへと歩いていった。
そのとき、前に見覚えのある後姿・・・
ヨハン・ミュセウだ。
携帯電話で誰かと話しながら歩いている。俺と目と目が合ったとき、ヨハンは電話の相手に待ってもらうように指示し、俺に挨拶をしてくれ、さらに握手を彼からしてきてくれた。
カンピオニシモのヨハンが俺を覚えていてくれているとは、なんと光栄な!
さらに電話の相手を待たせて、俺と談笑。ヨハンは俺にとっての永遠の憧れ、ヒーローだ。
俺のパソコンの壁紙はヨハンなんだよ、と伝えると、俺より美女の方がいいだろ!といいながらも喜んでくれた。
ヨハンとのたった2〜3分の会話が、今の俺に多くの勇気を与えてくれた。今ヨハンはドーピングの一連の事件の中で時の人。でも結果がどうであるにせよ、俺にとってヒーローであることは変わらないと思う。
丸山も握手をしてもらい大感動。右手は洗えません!と言っていたが、シャワーであっけなく・・・

レースではアンダーの選手の空気圧やタイヤ幅を確認。
と言ってもレースをしている選手を見て判断するので、確実ではないが多分32ミリで1.6気圧ぐらいだろうか。俺は1.6気圧に設定し、アンダーのレース終了後に試走へと出る。
昨日結構落車しているから、肩が打撲でだるい。でも昨日よりも走りやすく、ちょっとだけ明日が楽しみに感じる。
世界選手権出場のために、本当に多くの人が渡航費を協力してくれたし、本当に多くの人が応援してくれているのを実感している。
誰のために走るのではない。自分のための世界選手権。それが一人でも多くの人に勇気と希望を与えられるのなら、それはプロのサイクリストとしての自分の存在価値はあると思っている。
ネイスやウェレンス、フェルベッケンにグローネンダール・・・
俺は別に誰と走ろうが俺には関係ない。シクロクロスは自分と戦うだけ。
あと14時間。またあの大観衆の中でレースができる・・・