神が見えるかぁ!!

長谷寺

家からいきなり始まる名もなき峠。そして奈良県へと抜け生駒〜大和郡山広陵〜桜井へ。そして長谷寺から名阪国道の針インターを通ってR369柳生〜笠置からR163、木屋峠を越えて和束に入り、穀地峠で宇治田原。そして宇治川ラインで宇治へ。
このコースはアマチュア時代によく通ったルートだ。あのときは桜井からは榛原、そして名張伊賀上野信楽だったが。
ほとんど車の通らない、そして信号の少ないこのルート。まるで山には神が住んでいるんじゃないかと錯覚するほど神聖な気配を感じる。
俺の吐く息とタイヤの抵抗音しか聞こえず、空気は重く無音の音がする。それがますます神がかって感じるのだろうか。
神がいるのかどうかは分からない。というよりも神はいないだろう。しかし神がいると思う気持ちを持つ自分の中には、確かに神がいるのではないだろうか。それでいいと思う。いると思うならいるし、いない!と思うならいなくていい。確かに俺の良く走る穀地峠など、雨上がりだと路面にコケが生えて、物音一つしないときなど神秘的ではある。しかしコケで滑っても神は助けてくれない・・・

95年の全日本プロ選手権。この成績でコロンビアの世界選手権代表が決まる。俺は中盤に逃げ遅れて、浅田さん(現チームバン監督)と共に追走。なんとか吸収したときにカウンターアタックの応酬で千切れかけたとき、思わず2日前に亡くなった叔父、そして神様に仏様にお釈迦様、キリストにアラーの神に、あと祀られているすべての神、俺を助けろ〜〜〜!と心で祈った。
祈りの甲斐あってか前に合流。そしてなんとか世界選手権の代表に選ばれることになった。

あのときの俺は神がかっていたかもしれないが、神には助けられていない。もしそうだとしたら、去年から4台も自転車を廃車にするほどの大事故は損害賠償だ。俺からすれば間違いなく神だろうが訴訟対象だ。とすると、どこの寺社もしくは教会が俺に金くれるんだろう・・・

ヨーロッパでのドーピング問題。過去にたくさんの選手が「神に誓って」言い切ったが、結果はポジティブ。中には神云々以前に「悪魔に」魂売ったやつもいるし・・・
今回の騒動はまだ以前不透明なところが多すぎる。俺はクロはダメだと思うが、しかし「シロじゃない=クロ」の方程式はいただけん。だから現在ツールでの問題はしばらく語るのは伏せよう。これも神は知っているのだろうか。