砂男

masahikomifune22005-12-05

昨日のレース、国内のレースの中で最もハードなコースだったかも知れない。コースの半分ぐらいが砂地。林の中もほとんど砂地で強烈。でも林の中の砂地は面白かったね。ああいうのはイヤじゃない。テクニック&パワーの差が顕著に現れるコースだったし。
俺自身出来ることなら全日本選手権のコースがこのぐらいはっきり分かりやすい方が良かったね。ちょっと全日本のコースは単調といか、仕掛けどころに困るコースだね。それでも条件は皆同じだし、頑張るしかない。
昨日スタート前に試走していて、空気圧は2.1気圧に設定。それでも高く感じ、結局スタート時には1.9気圧(タイヤ幅34㎜)
砂地の縁(へり)というか、実は琵琶湖の中を走っていた。それもこの空気圧のおかげなんだよね。でもそういう練習&テクニックがないと、琵琶湖に水没してしまう(した人がいたらしい)


トニステイナー時代にチームメートだったポール・ヘレイガーは、砂のスペシャリストだった。ベルギーのコクセイデで行われた世界選手権、砂山でグローネンダールを撃破し、この年はワールドカップも世界選手権も制した。
彼の出現は、それまでの泥んこランニング大会的なものから、ロードレース的なスピード重視のシクロクロスに変わったタイミングにはまったのか、それとも彼の出現でそうなったのか定かではないが、とにかく彼の出現以降、レースは完全にスピードの速い、泥にしても砂にしても、そしてアップダウンでも「オフロード版ロードレース」となっていった。
(ちょうどタイミング的にビンディングペダルSTIレバー、それまでの細いタイヤから太いタイヤへと、器材面でも大きく変化したのもこの頃だ)

俺がベルギーにいた頃、ポールに何度か無理を言ってクロスの練習に連れて行ってもらった。
ポールやアルネ(ダールマンス)、ウィルムセンス兄弟など、ベルギーを代表するような選手との夢の共演。そこで俺はしこたま絞られたのだが・・・(ポールのサポーターの人の家でシャワーを借りたが、シャワールームで立ちくらみで倒れそうになった)
「マサ、砂じゃチューブラーじゃないと、ダメ
砂で最も重要なのは空気圧。もっと言えばすべてのコースは空気圧だそうだ。タイヤを餅のようにベチャとさせてグリップさせる。だからトップ選手はグリップ力で言えばまったくと言っていいほどないデュガスを今でも愛用するのだ。ラテックスチューブ使用のハンドメイド、その乗り味は一度体験すると病みつきになるほどで、俺もワールドカップ転戦していた頃は20本以上ストックしていた。
ちなみに1本現地価格で7000円はしていた。
まぁ昨日の勝利は、ポールの教えのおかげか・・・

昨日もだが今日も恐ろしいほどの寒さ。まさに冬将軍と呼ぶに相応しい寒波だった。