時間は音もたてず静かに進んでいく

masahikomifune22018-06-10

87年3月。高校の卒業式を終えて1週間後、オランダの地に立っていた。
初めてのオランダ、初めての海外・・・
スキポール空港を出た瞬間、パリパリに乾いて突き刺さるような冷たい空気が、息を吸った鼻から入ったときの感覚は今でもはっきりと覚えている。

ホームステイを受けれてくれたのはオランダ北部のヘーレンフェーンに住むホフさん一家。
自動車のレッカー移動や車の修理などを行う会社を経営していて、子供は二人。オレより1つ上のヤコブ、そして1つ下のヤン。
ヤンは自転車競技をしていて、彼と一緒に練習することになる。


彼の学校が終わるころ、お母さんの運転する車で30kmほど離れた学校へ。そしてそこから一緒に家まで練習。土地勘もなくたったの30kmなのに果てしなく遠く感じた。
言葉の通じないクラブトレーニング。元々一人でいることが苦じゃなかったのでホームステイになったりすることはなかったが、あの時の日常を思い出そうとしてもあまり記憶に残っていない。

早生まれだったのでオランダではジュニアカテゴリーで走ることができた。きっとここが自分の最初で最大のターニングポイントだったのかもしれない。もしここでアマチュア1年目だったら・・・間違いなく自転車を続けていなかっただろう。
(当時はまだアンダー23はなかった)

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