2018ニセコクラシック、エイジ別7位でした
さぁ、今年のニセコクラシック、何から書くのがいいのだろうか。
だけど最初に書かなきゃいけないのは、北海道へと出発するタイミングで関西、というか西日本は異常とも言える大雨続き。このタイミングで北海道入りしたが、心の底から楽しいと思うことはできなかった。実際自宅付近も避難対象地域になったり(先日の地震でもだったし)両親の実家であり自分にとっては思いの強い岡山県では広域にわたって浸水。自宅付近でも土砂崩れなどがあるなど、自然災害は仕方ないとは思いつつも非常にやるせない気持ちでこの数日を過ごしてきた。
被害に遭われた方たちには、どう声をかけていいのかはわからないけれど、少なくとも今は自分の活動が宙ぶらりんにならないようにするだけだ。
そんな平成最大ともいえる水害のあった週末だが、木曜日にニセコ入り。
今回は主催者の方より別件の仕事の打ち合わせが入っており早めに現地入り。
今は滋賀県守山市の自転車特命大使という肩書もいただいているが、地元ではないのにお仕事をいただいているのはありがたいことだ。ニセコでも地元ではない自分が地域のためにお手伝いできることがあるとすれば、非常に嬉しいことだ。
金曜日にはゆっくりと過ごして土曜日にタイムトライアル、そして日曜日にはグランフォンド140kmだ。
今年から開催された個人タイムトライアル。これは既に他では開催されているのでニセコでもいよいよ?と思ったのだが、オフィシャルの距離での開催には至らず、まずはテスト的な開催だそうだ。
そうは言ってもレースには違いない。走るからにはベストを尽くすのみ。
バイクレギュレーションはノーマルバイクのみ。DHバーもディスクホイールも不可。
と言うことは、よく言えば走力以外の差はほとんどないが、逆に言えばアドバンテージを得ることはできない。
タイムトライアル自体は得意ではない。現役時代でもプロローグで何度かトップ10にはいったぐらい。全日本選手権では機材ハンディはあったものの過去最高3位。
今回のコースは比羅夫から国道5号線に抜けるサンモリッツ大橋を往復するアップダウンの3kmほどのコース。ニセコ連峰から吹き降ろす強烈な風がリズムを狂わせるには十分、意外と難しいと言える。
一つ言えるのは、優勝するためにはペース配分などは二の次で、フィニッシュまで突き抜けられる能力が必要だ。
エイジ別に若いところから順番にスタート。さすがに30代のタイムは参考にならないだろうから、先に行われる40代前半のタイムを一つの参考にすることに。
4分20秒台がトップタイム。ここに近づけられるかが課題だ。
最初は追い風で下り。おまけにスタート台。スタートギヤは53Tx14Tに。
15Tにするか迷ったが、下ハンドルでダンシングしていくのでシフトしづらい状況を考えると、最初に伸びないかもだが14Tを選択した。
サンモリッツ大橋では吹き抜ける風が橋を横切る。なるべく影響を受けないように橋の中央部を走る。そして登りではケイデンスをなるべく一定に保つようにシフトダウン。登り切ってから折り返しは、自分で思っていたよりも脚がなくスピードがのらず、イメージ的には5秒は落としている。
そして折り返しはイメージしていたよりも少しスピードを殺しすぎ、折り返し後もスピードを乗せきらないまま巡航モードに。
フィニッシュまでの登りは果てしなく長く感じたが諦めずに踏み続けて4分36秒。
エイジ別先頭スタートなのでここからはドキドキの瞬間なのだが、外人選手が4分19秒を叩き出して暫定トップの座は陥落。この時点ですぐにホテルの朝食会場へ。
最終的には2位。先頭から3kmで16秒差と、もうこれは完敗で悔しさも薄い。
負けたこと自体は悔しいのだが、リズムに乗らなかったとかコーナーが失敗したとか、スタートのギヤが、と言ったことがすべて成功したとしても勝ってはいない。
そもそもベースの部分で負けているのでどうすることもできない。
逆に、エイジ別でポディウムに立てたことは素直に喜ぶべきことだろう。
1位と3位は外人なので、日本人ではトップ。これは自信を持っていいだろう。
140kmグランフォンド
実は大会1週間前の山岳グランフォンドin吉野以降、身体は常に疲労感を持ち続けており、自分自身トップコンディションの波に入っているとは理解しつつも、その中では「底」なのでは?と感じるほどだった。
この日も幾分マシだが、気持ち的にも軽さは感じられない。この中でどれだけうまく立ち回れるのか・・・
ラファのブースで美味しいコーヒーをいただく。普段から朝のライドにはコーヒーを飲むから、コーヒーがないと不安だ。それも可能なら濃いめのホットコーヒー。このリラックスできるコーヒータイムが好きだ。
全国各地からこの大会を目指してツワモノが集っている。しかし当たり前だが自分が選手として活動してきた世界のようなテクニックを持つ者はいない。
現時点での置かれている状況で、エイジ別でみるととんでもなく強い選手がいるのは事実だが、サドルの上で生活をしてきて得られた「当然必要な能力」ははっきり言うと皆無。このアドバンテージはこのレベルの世界で走っている以上はほぼほぼ永遠にアドバンテージだろう。
そのアドバンテージでどれだけ互角もしくはそれ以上の戦いができるのか。
序盤は間違いなく集団はナーバスだ。美山ロードでも感じたが、集団内感覚がほぼほぼどの選手にもない。ということは、突然巻き込まれたり、こちらが少しミスをしてもみんながうまくかわしてくれるなんて期待はできない。ひょんなことで重大な落車に発展する可能性はある、ということだ。これは絶対に避けなければいけない。まぁ自分自身はそれを見極める能力はある。が、落車しないとは言えない。
下りのスピードが上がった時の視野の広さと言うか、見えている世界が違うのははっきりと感じる。視野が狭い、動くことができるスペースの広さが自分自身と他の選手は大きな差がある。逆に言うと、難しい下りほど労なく差を開けられるはず(それも自分的には無理・無茶をせず)。
多少登りできつくても、下りで挽回は可能だ。
ニセコアンヌプリの登りはきつくはないが、長い。標高800mまでひたすら登る。
登り始めで鍔迫り合いのようなペースの強弱はあるが、大勢に影響がないと考えていた。6人ほどの選手と集団との差が3秒ほどになった時もジャンプすることは可能だったが、自分の今のフィーリングが軽く感じられないし、集団の大きなところで下りきってからの動きに同調しようと思い静観した。しかしこれがまさか最後まで大きな意味をもつことになるとは思いもしなかった。
この6人ほどは結局ゴールまで逃げ切った。
ひとつ難しいのは、前には若いエイジカテゴリーが走っており、そこでドロップしても後ろのグループは速いと言えど自分のエイジほどではない。そこに合流して同調すれば、少人数の逃げが大きくなることを意味する。
頂上までに1分差ぐらいで、前が見えるか?というペースだったが完全に視界から消えていた。
残り50kmを切るとこのコースはアップダウンの激しい難しいコースに豹変する。
前半のニセコ連峰を楽しみながら、日本海を望みながらの景色はない。
ひたすらノコギリの歯をなぞるようなアップダウンだ。
400mまで一気に登る峠。去年はここで力尽きて離れてしまった。今年は少しこの登りに対して怯えながら挑んでしまったのかもしれない。それが今回自分から完全に流れを奪っていたのかもしれない。
今回同じ時代にヨーロッパで選手をしていた阿部良之くんも参加。現役時代から登りや独走を得意としている。練習できていないと言っても登りでの軽快なペダリングをみているといい形で練習してきているな、戻してきているな、と感じられた。
そして集団内での空間把握能力も高いので、気がつくと阿部くんと近くを走ることが多かった。
もし後半に自信を取り戻して勝負をかけられたとしたら、ついていけるのだろうか?
全盛期の力はなさそうだが、油断はできない一人だ。
登りの頂上付近で2人の選手が少し集団から飛び出す。先に飛び出した数人に追いつかないことを考えると、残り距離からして躊躇はできない。
ここで単独でジョイントし、集団とのタイム差が数秒間あるので攻撃してみる。
北海道の下りは平均すると単調。ここも前半は単調で集団に追いつかれるが、途中からコーナーがやや深くえぐれる。ここを先頭で「えぐる」走りで下りの苦手な選手を揺さぶれれば、と思ったが実際は集団は少し遅れて単独に。残り25kmは切った。来こがどうやら自分の勝負所!と下りを全力で攻める。
次のコーナーにつながるよう、丁寧にそして大胆に下る。1秒ずつ離していけばいい。
最悪集団に飲み込まれたとしても、この後の2kmほど続く登りの頂上付近での合流なら次の動きにも反応できるはず。
タイムトライアルを思い出して常に下ハンドルを握って下りそして平坦を走り切る。
集団は消えた。10秒は開いた。
登りの入り口でこの10秒以上の差は自分の勇気そしてパフォーマンスアップに影響した。
それまでの躊躇が嘘のように脚が動く。もうアドレナリンは止められない。
39Tx19-21Tのギヤで登りをひたすらプッシュ。頂上付近で一人だけ追いきて2人に。先頭交代をして集団から抜け出す。多分集団からタイム差1分はついたか。あとは前に抜け出した数人を捕まえることができれば・・・
先頭を牽いている時間、スピード共にこちらが上回っている。自分が目指していたコンディションには到達はしていたようだ。それだけに1位争いでこのパフォーマンスを発揮していないことが悔やまれる。
逃げ始めの長い登りこそ最大強度でリズムが良くなかったが、抜け出してからは良いリズム。タイムトライアルの後半のような良いリズムに変わってきた。
ゴールでは先着。最終的にエイジで7位だった。
多分5位?と思っていたのだが前からこぼれてきたグループもあり、抜け出した人数を正確には把握できなかった。エイジカテゴリーごとにウェーブスタートをしているが、タイミングにもよるが意外と正確に把握するのは難しい。
スタート前の「エイジ別10位以内、可能ならば表彰台」は、7位と言うことで達成しホッとしたというのは本音だ。昨年は8位グループに追いついたが、スプリントには参加せず14位。今年はその結果を上回れたが、最初の逃げを容認する動きでなければ・・・
レースと言うのは何年やっても簡単にはいかない。特にこちらは参加者のレベルをまったく知らない。普段まったくレースイベントにも参加していないので、逃げに出た選手が強いのか否かも知らない。そういう意味ではアウェーと言えるだろう。
サッカーでも野球でも、アウェーと言うのは大きなハンディだ。それを含めてレースをするのはストレスもあるが、今ではそんなアウェーな気持ちや状況も、まぁ楽しみの一つでもある。
来年はいよいよ50歳なので出場カテゴリーも上がり、そして距離は短くなる。
後半のアップダウン中心となるので個人的には好ましいし、今から楽しみだ。
今回も昨年に続いてトークセッションや表彰式プレゼンテーターなどをさせていただいた。
このニセコでの大会が今後も継続され、そして発展していくお手伝いをこれからもさせていただければ、と思っています。
今回優勝そして入賞、世界選手権出場権利を得られた方々、おめでとうございます。
今回同じレースで一緒に楽しくライドできた皆さん、ありがとう。今年はホント楽しかった。後半20kmは選手だった自分を完全に思い出せて自転車は速く走る道具として、自分の体の一部のような感覚を久しぶりに楽しむことができた。
自分でいうのもなんだけど、レースイベントは楽しいね(笑)
ZONE 5にほぼほぼ入っていない、登りでも落ち着いて走っているときはZONE 3なので余力は相当あったはず。
ラスト25kmの登りでペースを上げ始めて、残り23kmを切ってからはZONE 4、HR145前後とロングなタイムトライアルペース。レースなのでイーブンペースではなく登りでスプリント的にペースを上げていき(これこそタイムトライアルは速くないが、逃げになったときの独走が苦手ではない自分の走り方だ)逃げている最中にポイントではZONE 5に入ることも。
ゴールまで出し切るというペース配分はロードレースの場合は見えないし難しいが、逆にニセコアンヌプリの長い登りで、もう少し勇気をもってペースアップしても良かったかなと思う。
コンビニでコーヒーを飲んでいると、野良犬が・・・ん?犬じゃない
キタキツネ??
コンビニで餌付けされているのだろうか、フラフラとこちらへ寄ってくる。
今回は木曜日入り。金曜日は時間があり、少し時雨ていたものの羊蹄山を一周。
今回はラファで作ってもらったスペシャルウェアで出場。
レースは何度走っても楽しい。走っているときはきつかったり苦しかったり、そしてうまくいかないと腹立ってきたり・・・
それもすべて含めてあとからはたのしかったと思える。
また来年も是非ニセコは走りたいね
ステージイベントでは実業団のイベント会場などでは何度か顔を合わせているMCシンジさんと。
今回初めてのお仕事。だけど同じ関西人、打ち合わせもほぼほぼなくぶっつけ本番でいい感じで進行していただき、楽しいステージイベントでした。
今回使ったバイクは、先月より使用開始した2018年カラーのエディメルクス・サンレモ76
仕様コンポはカンパニョーロ・レコードEPSにホイールはBORA35
ギヤは53Tx39Tで11-23T
タイヤはチューブラーでチャレンジ・エリート25c
まるで自分の体の一部のような感覚に既になっていて、北海道滞在中はグランフォンド以外でもあちこちを散策ライド
関西へ戻る日の朝も朝4時半からライド、昆布駅往復してきました。