2017 SR600四国山脈1-2 京柱峠〜大歩危

masahikomifune22017-05-24




通過チェック7 「京柱峠」6時55分

ダウンヒル区間は・・・かなりヤバい。さすが酷道の名に恥じない荒れっぷり。おまけに今朝がたまでの嵐のような天気の影響なのか枝葉が散乱していて、「走行不可」の看板があればそうなのだろうと間違いなく信じてしまう。車だったら間違いなく通りたくないし、通れないのではないだろうか・・・

登りも遅かったが下りも遅い。一体このSR600四国山脈はどこで帳尻を合わせたらいいのだろうか。多分登りを淡々とペースを落とさないようにするしかないのだろうか。
調子に乗ってパンクや機材を壊さないように慎重に、しかしスムーズに下ることを考える。
集落のある所まで下ってくると、平日なので前から車が登ってくる。林業に携わる方たちなのだろうか。出勤時間のようだ。向こうもまさか平日早朝から京柱峠を下ってくるサイクリストがいるなんて思っていないので、容赦なく走ってくる。




通過チェック8 「落合集落展望所」 08時01分



ここはきれいなトイレもあるし展望スペースがこぎれいで、ここで小休止。目の前の景色が素晴らしい。
履いているシューズのインソールを取り出して乾かす。ついでだしソックス、レインウェア、その他諸々を日向に置いて自分は日陰でボォ〜ッと。
最高の天気だ〜と思うのもつかの間、ぶ厚い雲が太陽の光を遮る。ソックスは太陽の光で少し暖かい。


剣山へ向かうヨサクは、京柱峠のあとだとかなり整備された道路に感じてしまう・・・
剣山の頂上に向けては急勾配というほどではない。ただ、もう登り疲れて体に余力がない。そして暖かいものをスタートからろくに食べずに嵐の中を走り続けているので、なんとなく「身体は存在するが魂が存在しない」そんな例えだろうか。
当初の予定では剣山を朝日ぐらいの時間で駆け抜けたいと考えていたのだが、ペースが落ちたことによりヨサク終点のお店が開店しており、親子丼とうどんを注文。出てきた瞬間に「多過ぎ!食べられない!」と思うが、今後を考えると食べておきたい。時間をかけて、最後は詰め込むような感じにはなってしまったが完食。そして剣山国定公園で写真撮影。


通過チェック9 「剣山国定公園」 11時15分


長いダウンヒル。道路はここまでと比べるとまったくもってきれいで、それこそ鏡面仕上げなのではないか?と思うほど。それまでの肌寒い感覚から一気に気温は上昇。そしてそれにつれてなぜか少し空腹感。あれほど食べたのに・・・

下りきると県道304号へ。ここからは林道大惣大宗線へ。
国道とは違い道路の管理状態も悪く、勾配もさらに厳しい。止まりそうになりながらも走り続ける。あちこち土砂崩れがあったりで今後パーマネントコースとして維持できるのか少し不安になる。


通過チェック10「林道大惣大宗線」13時28分


今日は一日晴れなんだと思っていたが、まったく晴れ間が出てこない。どころか頂上付近は少し時雨れていたりする。
下りきるとまたも間髪を入れずに林道の峠。さっきの峠をあまりにも似ていてデジャブ?もしくは疲労がピークで頭が予想外のことを考えているのか?と、意外とそんな時は常識的な判断ができているようだ。登っても登っても終わらない。もう頭の中で何か思考回路がショートしている。


通過チェック11「風呂塔キャンプ場看板」15時45分


下り始めてまたもや登りへ。松尾川ダムまでは道もかなり悪く土砂崩れ祭り。
アップダウンがありつつのダウンヒルは、うす曇りでコントラストが弱く、疲労が判断力などを鈍らせているのか平衡感覚を確固たるものにしていない。
コーナーの最中、身体が傾いていくとまるでそのまま横に倒れて崖を道路をはみ出て、そのまま宙に舞えるのではないか?ということを真剣に考えながら走っている自分に気づく。が、おかしいなんてこれっぽちも思わない。長い間寝ずに走ることで感覚が鈍く・おかしくなるのだろうか・・・
細く、そして路面の荒い路面が続く。


通過チェック12「竜ヶ岳景勝地」16時58分


しかしここまで道が悪いと、本当に今後のアタックが可能なのか心配になってしまう。一般的な人がここをまともに下れるのか・・・
県道32号に入ると、久しぶりに交通量が増えて後方から車がやってくる。そんな当たり前の状況がなくなっていったい何時間が経過したのだろう。
西祖谷村には18時15分ごろ到着。18時半まで町の商店が開いているはず!と思ったのだが、なぜかすでに閉まっていた・・・


通過チェック13「祖谷ふれあい公園」18時17分


危うく祖谷ふれあい公園を行き過ぎるところだった。先にある道の駅に入ろうとして何気なくキューシートを見て気づいた。この時点で36時間ほど起きている。そろそろいろいろな判断力が鈍っていく頃だ。
何気なく道路を見ていると、前を通る車の流れを見ていると「あれ?この先ってもしかして結構登ってない??」と疑問に思う。
ここから大歩危の方へ抜けるのに、祖谷トンネルへの登りは全くノーマークの峠だった。これが意外ときつかった。れっきとした峠じゃないか。そして下りはさらにノーマーク。ここで陽が暮れてきて二度目のナイトランへと突入する。
祖谷トンネルを下りきったところの商店でパンとジュースを購入。
残りは約100km。ようやく500kmを走破。時間軸の設定がおかしくなっていると思ってしまうほど時間が進んでいないし距離が進んでいなかった。しかしようやく残りが100kmほど。不安定になって落ち着きのない精神状態が、残り距離100kmとなって冷静に自分の置かれている状態を受け入れることができた。



落合集落へ
ヨサクからそれる、正直遠回り的なこの通過チェックポイントにいい印象はなかったが、行ってみると、振り返ってみるとお気に入りの景色の一つだ。



落合集落の展望所で濡れた荷物を乾かすべく、すべて広げる。



まだ先は長い。食べれるときにしっかりと食べたい。



山の上の方はガスがかかっていたり・・・